高校野球

「一気に優勝まで2つ階段を上がりたかった」明豊・川崎監督がセンバツ準優勝への思いを語る

SLUGGER編集部

2021.04.01

明豊の川崎監督。敗戦の瞬間は悔しかったというが、すぐに「夏に向けて何をするか」に考えを切り替えたという。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 4月1日に行なわれた第93回選抜高校野球大会決勝。センバツ3度目の優勝を目指す東海大相模と、春夏通じて初の全国制覇を目指す明豊の対決は3対2で東海大相模がサヨナラ勝ち。明豊は序盤に先行するも、惜しくも届かなかった。

「階段は一つひとつしか上がれないのだなと思った」

 明豊の川崎絢平監督は、独特の表現で大会を総括した。2012年から明豊の監督に就任し、自身初の甲子園出場を果たした15年夏は1回戦敗退。17年夏はチームをベスト8まで導き、続く19年春のセンバツではベスト4……というように、段階を踏んで成績を上げてきたことに基づくものだ。「今回は初の決勝進出だけではなく、一気に優勝まで2つ階段を上がりたかった」と望んでいたが果たせなかった。
 
 それでも、発足時に自身が「史上最弱」と評したチームが、学校初の決勝進出という"史上最高"の結果を残したことには「選手たちは現時点ですごく成長した」と喜ぶ。「与えられたポジションで起用に応えようという気持ちがうれしかったし、その気持ちの連続が良い試合になったのではないかと思う」と称賛。だが、その一方で「高校野球には夏もある。準優勝という結果に満足して、謙虚さや反骨心を失ってしまうのはよくない。夏に向けては悔しさを持ってやってほしい」と、選手たちにハッパをかけることも忘れなかったのは川崎監督らしい。

 夏に向けて、さらに次の一段を上がるために何をするかと問われ、「何かを特別に大きく変えることはない」と答えた川崎監督。「あと一歩のために大きく変えるというよりは、今までやっていることをいかに精度よく積み上げてやっていけるか」。今回の結果で、明豊が取り組んできたことの有効性は証明された。それをさらに洗練していけば、夏にはもう一段、階段を上れるかもしれない。

構成●SLUGGER編集部

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