「いい夢見たんです」と笑うロッテの井口監督は、ドラフト前日に当たりを引く予知夢を見ていたのだと言う。

「ドラフトで当たりくじ引いている夢をね。ただ、誰にも言えなかったんですけど」

　今回のドラフトでは、佐々木朗希（大船渡高）の交渉権を４球団競合の末に引き当て、これで昨年のドラフトで１位指名した大阪桐蔭高の藤原恭大に続き、２年連続での大仕事を達成した。

　実は中日の与田監督も同様で、昨年は４球団競合した大阪桐蔭高の根尾昂を、今年は3球団競合した東邦高の石川昂弥をどちらも1位指名で引き当てた。

　井口監督は２年目、与田監督は１年目、また来季からヤクルトの指揮を執る高津監督は、初の大仕事で奥川恭伸（星稜高）の交渉権を獲得と、経験の浅い監督のほうが、ドラフトでの強さを発揮しているのは何とも不思議な話だ。 　今回、井口監督が引き当てた佐々木は17歳ですでに160kmをマークしている超高校級の右腕だが、身体の線はまだ細く、シーズン通して投げられる体力などは、今後必要になってくる。

　その点においてロッテは、すでに若手育成プランが計画されているようだ。

「メディカルとフィジカルの部分も含め、大学病院と提携してやっていくことが決まっているので、万全なサポートができる。これからのチームなので、その中に加わって、頑張っていってほしい」と井口監督は言う。

　さらには「種市（篤暉）、岩下（大輝）といった、下からしっかり体力や、身体を作って上がってきた選手もいるので、そういう意味でいい見本となる選手がいる。彼も一緒に上がってきてくれたら」とチーム全体で佐々木を育てていく方向性を明かした。

「一番いい選手を獲るというのが球団の方針。しっかり引かせてもらったぶん、今度は育てていかなくちゃいけないなと思います」と、日本球界の至宝となり得る存在を、球団を挙げて迎え入れる

【ドラフトPhoto】今ドラフトの目玉佐々木はロッテ、奥川はヤクルトへ！！会場ブースもお見せします！

構成●THE DIGEST編集部