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プロ野球

7年ぶりの日本一を狙う巨人の「強み」と「弱み」。坂本&丸の2・3番コンビは圧巻。一方で下位打線は…

藤原彬

2019.10.19

抜群の安定感を誇る丸。CSファイナルではセーフティスクイズも決めた。(C)Getty Images

抜群の安定感を誇る丸。CSファイナルではセーフティスクイズも決めた。(C)Getty Images

 巨人最大の売りが「2番・坂本勇人‐3番・丸佳浩」のコンビだ。昨季はリードオフを務めた坂本が打順をひとつ下げ、高い打率と出塁率を維持して潤滑油のように機能しながら、自己最多でリーグ2位の40本塁打と新境地を開いた。昨年まで2年連続MVPを手にした丸が後ろに控え、打線につながりが生まれた。坂本と丸はそれぞれOPS.971/.884で両者の和はリーグベスト。2人が揃って打点を挙げた試合は12勝4敗と高い勝率を誇っている。

 5月下旬から打撃好調の亀井善行が1番に定着すると、打線はさらに強固になった。上位が安定して打力を発揮したことで、初回の得点は前年比で22も増えて96を記録。4番に座った岡本和真が前年からOPS.935→.828と打力を落としたが、31本塁打、94打点と最低限の仕事は果たし、クライマックスシリーズのファイナルステージでも3本のホームランを放つなど、1年の総決算に向けて調子は上向いている。
 
 一方、下位打線はウィークポイントと言ってもいいかもしれない。ゲレーロは21本塁打と一定の長打力は発揮したが、打率2割台前半を低空飛行。経験豊富な阿部慎之助や、時に亀井の打順を下げてやり繰りせざるを得なかった。

 投手は山口俊が最多勝、最高勝率、最多奪三振と3つのタイトルを獲得する見事な活躍を見せ、救援では開幕から16試合連続無失点に抑えた中川皓太の奮投も光った。他の投手も大きく破綻はしなかったが、全幅の信頼が置ける選手は決して多くない。自己ワーストの防御率3.89と苦しんだ菅野智之の状態も気になるところだ。

文●藤原彬

ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。
 

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