見事な雪辱戦となった。
現地時間4月23日、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有は、敵地で行なわれたロサンゼルス・ドジャース戦に先発。初回に先制点を与えたものの、その後は走者を許しながらも昨年の世界一チームを抑え込み、7回を96球、4安打1失点9奪三振の好投で今季2勝目をマークした。
この1勝はただの白星ではなかった。今月17日、ダルビッシュは同じくドジャース戦で登板。5回途中まで完全投球を続けていたが、死球を機に走者を貯めると、まさかのクレイトン・カーショウに押し出し四球で失点。これが決勝点となり、7回1安打1失点9奪三振の好投を見せながらも今季初の黒星が付いていた。
同じ相手、同じ投手に連敗するわけにはいかない。そうした強い意気込みが序盤はうまくかみ合わず、先頭のムーキー・ベッツにいきなり二塁打を許し、マックス・マンシーに先制打。その後も3回は四死球でピンチを招き、5回にはカーショウにヒットも浴びた。7回も1死一、二塁という一打同点の場面も背負った。
しかし、3回はこの日最速の96.3マイル(154.7キロ)で三球三振。5回はベッツのヒット性の打球を左翼のトミー・ファムがダイビングキャッチ後に、飛び出したカーショウを刺して併殺。7回の大ピンチでは、またもベッツに完璧ライナーを打たれたものの、三塁のマニー・マチャドが超絶ファインプレーで打球をもぎ取ってこれを阻止。最後はパドレスが6対1で地区8連覇中の王者を下したのだった。
ダルビッシュ自身も試合後、フォームが乱れて本調子ではなかったと語っているが、果たして対戦相手のドジャースにはこの日の右腕はどう映ったのか。称賛の声を送ったのが他でもない、“元女房役”のオースティン・バーンズだ。
「前回も、そして今夜もユウは本当に凄かった」
ダルビッシュは2017年夏のトレードで、テキサス・レンジャーズからドジャースに移籍。この時、4度マスクをかぶったのがバーンズだった。組んだ試合は多くないけれども、右腕はバーンズについて「いいフレーミングがこんなにピッチャーを助けてくれるのか」と語るほど信頼していた捕手でもあった。
その後、ダルビッシュはカブスに移って敵同士となったが、ここから文字通りドジャースの壁として立ちふさがっている。2019年6月15日の敵地の試合では7回2安打1失点10奪三振、そしてパドレス移籍後も2試合連続7回1失点。あの最強チームを相手にここまで抑えているのである。そしてバーンズ自身も2四球こそもぎ取っているが、6打数無安打と打てていない。だかこそ、「本当に凄かった」と純粋に相手を讃えるコメントを出したというわけだ。
前評判通り、ドジャース対パドレス戦は毎試合がプレーオフとも言うべき緊張感あるゲームが展開されている。この息詰まるカードでダルビッシュが投げるたび、毎回「凄かった」と相手が脱帽せざるを得ないようなことになった時は、おそらく地区の頂点の座が入れ替わっているかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
現地時間4月23日、サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有は、敵地で行なわれたロサンゼルス・ドジャース戦に先発。初回に先制点を与えたものの、その後は走者を許しながらも昨年の世界一チームを抑え込み、7回を96球、4安打1失点9奪三振の好投で今季2勝目をマークした。
この1勝はただの白星ではなかった。今月17日、ダルビッシュは同じくドジャース戦で登板。5回途中まで完全投球を続けていたが、死球を機に走者を貯めると、まさかのクレイトン・カーショウに押し出し四球で失点。これが決勝点となり、7回1安打1失点9奪三振の好投を見せながらも今季初の黒星が付いていた。
同じ相手、同じ投手に連敗するわけにはいかない。そうした強い意気込みが序盤はうまくかみ合わず、先頭のムーキー・ベッツにいきなり二塁打を許し、マックス・マンシーに先制打。その後も3回は四死球でピンチを招き、5回にはカーショウにヒットも浴びた。7回も1死一、二塁という一打同点の場面も背負った。
しかし、3回はこの日最速の96.3マイル(154.7キロ)で三球三振。5回はベッツのヒット性の打球を左翼のトミー・ファムがダイビングキャッチ後に、飛び出したカーショウを刺して併殺。7回の大ピンチでは、またもベッツに完璧ライナーを打たれたものの、三塁のマニー・マチャドが超絶ファインプレーで打球をもぎ取ってこれを阻止。最後はパドレスが6対1で地区8連覇中の王者を下したのだった。
ダルビッシュ自身も試合後、フォームが乱れて本調子ではなかったと語っているが、果たして対戦相手のドジャースにはこの日の右腕はどう映ったのか。称賛の声を送ったのが他でもない、“元女房役”のオースティン・バーンズだ。
「前回も、そして今夜もユウは本当に凄かった」
ダルビッシュは2017年夏のトレードで、テキサス・レンジャーズからドジャースに移籍。この時、4度マスクをかぶったのがバーンズだった。組んだ試合は多くないけれども、右腕はバーンズについて「いいフレーミングがこんなにピッチャーを助けてくれるのか」と語るほど信頼していた捕手でもあった。
その後、ダルビッシュはカブスに移って敵同士となったが、ここから文字通りドジャースの壁として立ちふさがっている。2019年6月15日の敵地の試合では7回2安打1失点10奪三振、そしてパドレス移籍後も2試合連続7回1失点。あの最強チームを相手にここまで抑えているのである。そしてバーンズ自身も2四球こそもぎ取っているが、6打数無安打と打てていない。だかこそ、「本当に凄かった」と純粋に相手を讃えるコメントを出したというわけだ。
前評判通り、ドジャース対パドレス戦は毎試合がプレーオフとも言うべき緊張感あるゲームが展開されている。この息詰まるカードでダルビッシュが投げるたび、毎回「凄かった」と相手が脱帽せざるを得ないようなことになった時は、おそらく地区の頂点の座が入れ替わっているかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部