自らの才能を全面に発揮して、3年ぶりの白星をつかみ取った。
ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間4月26日、敵地で行われたテキサス・レンジャーズ戦に「2番・投手」で先発出場。投げては初回に4点を失いながらも5回3安打2四球、毎回の9奪三振をマークし、打っては3打数2安打2打点、3得点を挙げて、チームも9対4で大勝した。これにより2018年5月20日以来、実に1072日ぶりの勝利投手となった。
メジャー100年ぶりの快挙を成し遂げてのマウンドとなった。前日のヒューストン・アストロズ戦で、大谷はメジャートップに並ぶ今季7号アーチを放った。両リーグ本塁打1位の選手が翌日に先発登板するのは1921年のベーブ・ルース以来、100年ぶりの快挙だった。
その快記録を自ら祝うように、大谷は初回の第1打席に四球で出塁すると、タイムリーで先制のホームを踏んだ。普通の走者であればストップがかかってもおかしくはないが、メジャー屈指のスピードを誇る大谷は悠々ホームイン。いい流れでマウンドに向かったはず……だった。
しかし、不運な形で先頭打者をヒットで出すと、1死後に四球で走者を2人貯めて4番打者に甘い変化球を完璧に捉えられる。今季初の被弾は痛い3ランとなった。さらに四死球や暴投でピンチを作り、犠牲フライで4失点。勝利投手が遠ざかったかに見えた。
だが大谷は、自らのバットで取り戻す。直後の2回、2死一、二塁で打席が回ってくると、2球目の高め速球を完璧に捉えた打球は瞬く間にライト線を抜けていく二塁打に。2点タイムリーとなって試合は1点差。さらにマイク・トラウトの適時打で同点に追いついたのだ。
そして"投手・大谷"は2回以降に別人のように立ち直る。今季コントロールのできていなかったスライダーが面白いように決まり、前回対戦した相手打線も困惑。そして追い込めば、伝家の宝刀スプリッターが猛威を振るった。2回、3回と三者凡退。4回には三者連続奪三振という圧巻のピッチングを披露。そして打線もこれに応え、ジャスティン・アップトンとアルバート・プーホルスの2者連続アーチなどで、さらに3点をプレゼントした。
5回は久しぶりにヒットを許したものの、最後はこの日キレキレのスライダーで見逃し三振に仕留め、勝利投手の権利を得る5回をまとめてみせる。6回の第4打席、大谷は何とセーフティバントで出塁。メジャー本塁打王がバントするという、野球IQの高さも発揮すると、またもタイムリーでこの日3度目のホームを踏んだ。
点差もついた上にマメを気にする仕草もあって、球数は75球だったが大谷は5回で降板。それでも、チームは9対4で快勝し、うれしいうれしい1072日ぶりの勝利投手を手にした。
投げて、打って、走って、そして相手の虚をつくアイデア。まさに「野球少年・大谷翔平」がテキサスの地で躍動した。この姿を見ることを、日本のファンだけでなく、全野球ファンが待ち望んでいるはずである。
構成●THE DIGEST編集部
ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間4月26日、敵地で行われたテキサス・レンジャーズ戦に「2番・投手」で先発出場。投げては初回に4点を失いながらも5回3安打2四球、毎回の9奪三振をマークし、打っては3打数2安打2打点、3得点を挙げて、チームも9対4で大勝した。これにより2018年5月20日以来、実に1072日ぶりの勝利投手となった。
メジャー100年ぶりの快挙を成し遂げてのマウンドとなった。前日のヒューストン・アストロズ戦で、大谷はメジャートップに並ぶ今季7号アーチを放った。両リーグ本塁打1位の選手が翌日に先発登板するのは1921年のベーブ・ルース以来、100年ぶりの快挙だった。
その快記録を自ら祝うように、大谷は初回の第1打席に四球で出塁すると、タイムリーで先制のホームを踏んだ。普通の走者であればストップがかかってもおかしくはないが、メジャー屈指のスピードを誇る大谷は悠々ホームイン。いい流れでマウンドに向かったはず……だった。
しかし、不運な形で先頭打者をヒットで出すと、1死後に四球で走者を2人貯めて4番打者に甘い変化球を完璧に捉えられる。今季初の被弾は痛い3ランとなった。さらに四死球や暴投でピンチを作り、犠牲フライで4失点。勝利投手が遠ざかったかに見えた。
だが大谷は、自らのバットで取り戻す。直後の2回、2死一、二塁で打席が回ってくると、2球目の高め速球を完璧に捉えた打球は瞬く間にライト線を抜けていく二塁打に。2点タイムリーとなって試合は1点差。さらにマイク・トラウトの適時打で同点に追いついたのだ。
そして"投手・大谷"は2回以降に別人のように立ち直る。今季コントロールのできていなかったスライダーが面白いように決まり、前回対戦した相手打線も困惑。そして追い込めば、伝家の宝刀スプリッターが猛威を振るった。2回、3回と三者凡退。4回には三者連続奪三振という圧巻のピッチングを披露。そして打線もこれに応え、ジャスティン・アップトンとアルバート・プーホルスの2者連続アーチなどで、さらに3点をプレゼントした。
5回は久しぶりにヒットを許したものの、最後はこの日キレキレのスライダーで見逃し三振に仕留め、勝利投手の権利を得る5回をまとめてみせる。6回の第4打席、大谷は何とセーフティバントで出塁。メジャー本塁打王がバントするという、野球IQの高さも発揮すると、またもタイムリーでこの日3度目のホームを踏んだ。
点差もついた上にマメを気にする仕草もあって、球数は75球だったが大谷は5回で降板。それでも、チームは9対4で快勝し、うれしいうれしい1072日ぶりの勝利投手を手にした。
投げて、打って、走って、そして相手の虚をつくアイデア。まさに「野球少年・大谷翔平」がテキサスの地で躍動した。この姿を見ることを、日本のファンだけでなく、全野球ファンが待ち望んでいるはずである。
構成●THE DIGEST編集部