MLB

「忽然と消える…」大谷翔平の“魔球”スプリットに驚嘆の声! 球界屈指の奪三振マシーンと化した凄みとは

THE DIGEST編集部

2021.04.30

力強いピッチングでライバルたちをなぎ倒す大谷。その投球を輝かせるボールにスポットライトが当たっている。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が投じる"魔球"が注目を集めている。

 現地時間4月26日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、敵地で行なわれたテキサス・レンジャーズ戦に「2番・投手」で出場。打ってはセーフティバントを含む2安打1四球で3得点、投げては初回に4点を失いながらもメジャー自己最多タイの5連続三振を含む9奪三振を記録し、1072日ぶりの勝利投手となった。

 制球力に課題を残しながらも要所を締める貫録のピッチング。敵将のクリス・ウッドワードが「オオタニには感心させられた。2回以降は別人だった」とぼやくほどの内容には、賛辞も相次いでいる。そんな投球の軸となっているのが、"伝家の宝刀"スプリットだ。

 今シーズンに記録している23奪三振のうち18個もスプリットで記録している大谷。92マイル(約148キロ)前後の球速に加え、「突然消える」(ウッドワード監督)という変化量もある"魔球"に、ライバルたちのバットもことごとく空を切る。

 凄まじさはデータで見ても明白だ。スプリットでの奪三振率は90%に達し、特定の変化球での値は、ダスティン・メイ(ロサンゼルス・ドジャース)やタイラー・グラスノー(タンパベイ・レイズ)といった球界を代表する「奪三振マシーン」よりも上なのだ。

【動画】大谷翔平1072日ぶりの勝利投手!圧巻9Kハイライトはこちら

 スプリットの威力は、100マイル(約160キロ)を超える剛速球にも好影響をもたらしている。MLB公式サイト『MLB.com』は、「最も打たれないピッチングが戻っている」とした大谷の特集記事内で、「彼のスプリットの秘訣は変化にある」と分析した。

「オオタニのスプリットは垂直に、ストンと落ちる。これは打者にとって本当に直前までは単なる直球にしか見えない。彼は真のフォーシーマーであり、直球に変化はない。つまり打者は直前まで同じ軌道で飛んでくるボールが、忽然と消えてしまうため、空振りしてしまうのだ。

 オオタニの100マイルの速球と、そして直前まで全く同じ動きをする92マイルのスプリット。打者はこの2球を瞬時に区別しなければいけない。そう考えると相手選手たちがことごとく空振りを奪われるのは容易に理解できる」

 二刀流をこなしながら、球質も日々グレードアップしている大谷。そのずば抜けたポテンシャルの高さには脱帽せざるを得ない。

構成●THE DIGEST編集部
NEXT
PAGE
【動画】大谷翔平1072日ぶりの勝利投手!圧巻9Kハイライトはこちら