MLB

【注目のMLBスターファイル】トラウト級の才能が開花!5ツールを備えたバイロン・バクストンの凄み<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.05.07

今季は開幕から打撃絶好調のバクストン。類稀な才能がようやく全面開花しようとしている。(C)Getty Images

 大谷翔平(エンジェルス)の活躍が日々大きな話題を集めているが、今季のメジャーリーグには他にもエキサイティングな選手が大勢いる。この連載では、話題をさらっている旬の選手たちを紹介する。今回はツインズの走攻守三拍子そろったセンター、バイロン・バクストンだ。

 バクストンはまさに、すべてのプレーがダイナミックなメジャーリーガーの代表格だ。特に目を惹くのが群を抜くスピード。ストライドの大きな走りはまるでチーターかガゼルのように美しく、「フィールド狭し」という常套句がこれほどぴったり来る選手もそうはいない。
 
 4月30日のロイヤルズ戦では、右中間に落ちるかと思われた当たりをダイビングキャッチ。さらに7回には、あわやホームランの打球をフェンスにギリギリで奪い取ってしまった。一塁到達までの速度がメジャートップという俊足を生かした広い守備範囲と、高校時代時代は投手も務めていた強肩も含めたフィールディングはそれだけでも一見の価値がある。 

 だが、守備や走塁でバクストンが素晴らしいのは、今年に限った話ではない。2017年にはゴールドグラブも受賞。さらに同年から19年にかけては33連続盗塁成功の球団記録を打ち立ててもいる。

 今年のバクストンが例年と違うのは打撃の開眼だ。5月5日(現地)時点で、OPS1.224はリーグ2位。9本塁打は同じく2位タイだ。これまでの6年間でシーズン20本塁打が一度もなかった男が、今季は50本も夢ではないペースで打ちまくり、真の5ツール・プレーヤー(打撃・パワー・スピード・肩・守備をすべて備えた選手)になった。
 
NEXT
PAGE
高校時代から大きな注目を集めていた逸材