いよいよ5月25日に開幕するプロ野球交流戦。昨年はコロナ禍で中止となってしまったが、交流戦はこれまでの十数年の歴史で幾度もドラマを生んできた。今回はその中でも特に印象深い5つの名場面を紹介しよう。
■5位 2005年5月13日 西武vs巨人 @インボイスSEIBUドーム
初めて交流戦が行なわれた2005年の一番の名場面を演出したのが、この日の西武の先発だった西口文也(現一軍投手コーチ)だ。かつてチームメイトだった清原和博に死球を与えた2回を除き、8回まですべて三者凡退。9回も簡単に2死を取り、交流戦史上初のノーヒットノーランまではあと一人となった。
だが、3年前の02年に9回2死から安打を打たれていた西口は、この日もあと一歩で快挙を逃してしまう。28人目の清水隆行はなんとホームランを放ち、ノーヒッターどころか完封すらも打ち砕かれてしまった。後続を抑えて完投勝利したにもかかわらず、翌日は打球の方向を見上げて呆然とする西口の写真が新聞上に躍った。しかも西口は同じ年の8月27日、対楽天戦で9回をパーフェクトに抑えながら味方の援護がなく、延長10回に安打を打たれてまたも快挙を逃している。結局ノーヒッターは一度も達成できずに終わり、15年の引退会見では「ノーヒットノーランが達成できなかったのが心残り」と述べるほどだった。
■4位 2015年6月3日 DeNA vs ソフトバンク @横浜スタジアム
今や日本球界最高のプレーヤーとして君臨する柳田悠岐(ソフトバンク)だが、彼の名を広く日本中に知らしめたのがこの日の一発だ。6回1死、1点ビハインドで迎えた第3打席。先発の三浦大輔(現DeNA監督)の甘く浮いたスライダーを、柳田は持ち前の豪快なアッパースウィングで一閃。打った瞬間にホームランと分かる当たりだったが、高々と上がった打球は何とバックスクリーンのカラービジョンを直撃。当たった箇所が故障して真っ暗になってしまった。
推定145メートル弾の特大ホームランに、元横浜のチームメイト・内川聖一(現ヤクルト)も、「日本人であんなところに飛ばした選手はいないんじゃないですか」と呆れるほどだった。この年、柳田は山田哲人(ヤクルト)とともにトリプルスリーを達成し、MVPも獲得。現在に至るまで、豪快なホームランで球場を沸かせ続けている。
■3位 2014年5月31日 オリックスvs巨人 @京セラドーム
この日のオリックス先発・金子千尋(現・弐大/日本ハム)の出来は最高だった。初回先頭から4者連続三振という立ち上がりを見せると、巨人打線から11三振を奪う快投。味方の好守にも助けられ、ヒットは1本も許さないまま、無安打無得点で9回を投げ切った。しかし金子にとっての不運は、味方もまた無得点に抑えられていたこと。しかも交流戦10周年記念の特別ルールで、オリックスのホームゲームなのにDH制がなく、6回には2死満塁の好機で金子が打席に入らざるを得ず、得点できないという事態もあった。
結局、金子は9回裏に代打を出されて降板。この回もオリックスは満塁としながら無得点に終わり、金子のノーヒットノーランはこの時点で幻となった。しかも12回表に4番手の馬原孝浩が亀井善行にソロホームランを浴びてオリックスは敗戦。9回までノーヒットノーランを達成しながら、延長でリリーフ投手が打たれて大記録もチームの勝利も消えたのは、金子が史上唯一の例である。
■5位 2005年5月13日 西武vs巨人 @インボイスSEIBUドーム
初めて交流戦が行なわれた2005年の一番の名場面を演出したのが、この日の西武の先発だった西口文也(現一軍投手コーチ)だ。かつてチームメイトだった清原和博に死球を与えた2回を除き、8回まですべて三者凡退。9回も簡単に2死を取り、交流戦史上初のノーヒットノーランまではあと一人となった。
だが、3年前の02年に9回2死から安打を打たれていた西口は、この日もあと一歩で快挙を逃してしまう。28人目の清水隆行はなんとホームランを放ち、ノーヒッターどころか完封すらも打ち砕かれてしまった。後続を抑えて完投勝利したにもかかわらず、翌日は打球の方向を見上げて呆然とする西口の写真が新聞上に躍った。しかも西口は同じ年の8月27日、対楽天戦で9回をパーフェクトに抑えながら味方の援護がなく、延長10回に安打を打たれてまたも快挙を逃している。結局ノーヒッターは一度も達成できずに終わり、15年の引退会見では「ノーヒットノーランが達成できなかったのが心残り」と述べるほどだった。
■4位 2015年6月3日 DeNA vs ソフトバンク @横浜スタジアム
今や日本球界最高のプレーヤーとして君臨する柳田悠岐(ソフトバンク)だが、彼の名を広く日本中に知らしめたのがこの日の一発だ。6回1死、1点ビハインドで迎えた第3打席。先発の三浦大輔(現DeNA監督)の甘く浮いたスライダーを、柳田は持ち前の豪快なアッパースウィングで一閃。打った瞬間にホームランと分かる当たりだったが、高々と上がった打球は何とバックスクリーンのカラービジョンを直撃。当たった箇所が故障して真っ暗になってしまった。
推定145メートル弾の特大ホームランに、元横浜のチームメイト・内川聖一(現ヤクルト)も、「日本人であんなところに飛ばした選手はいないんじゃないですか」と呆れるほどだった。この年、柳田は山田哲人(ヤクルト)とともにトリプルスリーを達成し、MVPも獲得。現在に至るまで、豪快なホームランで球場を沸かせ続けている。
■3位 2014年5月31日 オリックスvs巨人 @京セラドーム
この日のオリックス先発・金子千尋(現・弐大/日本ハム)の出来は最高だった。初回先頭から4者連続三振という立ち上がりを見せると、巨人打線から11三振を奪う快投。味方の好守にも助けられ、ヒットは1本も許さないまま、無安打無得点で9回を投げ切った。しかし金子にとっての不運は、味方もまた無得点に抑えられていたこと。しかも交流戦10周年記念の特別ルールで、オリックスのホームゲームなのにDH制がなく、6回には2死満塁の好機で金子が打席に入らざるを得ず、得点できないという事態もあった。
結局、金子は9回裏に代打を出されて降板。この回もオリックスは満塁としながら無得点に終わり、金子のノーヒットノーランはこの時点で幻となった。しかも12回表に4番手の馬原孝浩が亀井善行にソロホームランを浴びてオリックスは敗戦。9回までノーヒットノーランを達成しながら、延長でリリーフ投手が打たれて大記録もチームの勝利も消えたのは、金子が史上唯一の例である。