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MLB

「前代未聞だ!」元巨人の“問題児”ガルシアがMLBで大ブレイク! 大谷翔平との本塁打王争いに米メディアも驚嘆

THE DIGEST編集部

2021.05.27

多士済々のメジャーでも鮮烈な輝きを放つガルシア。紆余曲折を経て辿り着いた夢舞台で存在感を強めている。(C)Getty Images

多士済々のメジャーでも鮮烈な輝きを放つガルシア。紆余曲折を経て辿り着いた夢舞台で存在感を強めている。(C)Getty Images

 今季のメジャーリーグもずば抜けた身体能力を誇示する偉才たちが、千両役者ぶりを遺憾なく発揮している。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)やフェルナンド・タティスJr.(サンディエゴ・パレス)、ロベルト・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)らは、開幕前の期待を裏切らない戦績を残し、連日のごとくさまざまな話題を提供し続けている。

 なかでも意外な躍進で存在感を放っているのが、テキサス・レンジャーズのアドリス・ガルシアだ。
【動画】異端児ガルシアが大谷翔平の眼前で放った特大アーチはこちら

 今季は開幕から絶好調。大谷が第15号を放った火曜日のエンジェルス戦では、自身も特大の15号ホームランを放ち、アメリカン・リーグトップのブラディミール・ゲレーロJr.と1本差でタイトル争いを繰り広げている。

 文字通りの大ブレイクを果たした28歳のキューバ人だが、そのキャリアはまさに異色だ。

 2016年4月、「国内リーグで打点王となった超若手有望株」というキューバ政府の触れ込みで、日本球界の盟主・読売ジャイアンツに入団するも、1軍では7打数ノーヒットと鳴かず飛ばず。さらに日本での食生活や文化に馴染めなかった影響から素行不良が目立ち、8月に契約解除となった。

 その後、帰国の際にガルシアは、乗り換え地のパリでドミニカ共和国に亡命。“野球大国”キューバで養われた彼のポテンシャルを鵜の目鷹の目であるメジャーのスカウト陣が見逃すはずもなく、2017年2月には海外アマチュア・フリーエージェントとしてセントルイス・カージナルスとマイナー契約を締結した。
 
 しかし、早々に結果は残せなかった。メジャーデビュー後の2019年にDFA(戦力外通告)を告げられたガルシアは、トレードでレンジャーズへ移籍した昨年も低調なパフォーマンスに終始。今春のキャンプ中には自身2度目となるDFAの憂き目に遭った。

 最終的に引き取り手がなかったために、レンジャーズとマイナー契約を結び直し、なんとか首の皮一枚で繋がった男は、ここから奮起する。

 開幕後に怪我人が続出したチーム事情もあってメジャー再昇格を果たすと、一気に覚醒。現地5月25日の時点で打率.290、15本塁打、打点40、OPS.940というハイアベレージで打線を牽引している。

 MLBで5位のハードヒット率(54.9%)を記録するなど、とにかく打ちまくっている“エル・ボンビ”(ガルシアの愛称。爆弾の意)には、賛辞の声が止まない。米スポーツ専門メディア『Beyond The Boxscore』は「アドリス・ガルシアの一大ブレイクは前代未聞だ」と絶賛。ここまでのキャリアを「決して平坦ではなかった」と表現したうえで、こう評している。

「日本、そしてドミニカを経て、キューバからアメリカへやってきたガルシアは、今季のテキサスで最高の打者へと成長を遂げた。この先もレンジャーズの主軸として居続けられるかは分からないが、彼のような成功は決して、運だけで成し得るものではない。彼は間違いなく正しいことをしているのだ」

 また、地元紙『Dallas News』によれば、ガルシアはレンジャーズと再契約を結んだ際、スカウトに対して「俺はあなたの決断が正しかったと証明してみせる」と宣言したという。新人王争いにも食い込むここまでの活躍ぶりは、その言葉に十分な信憑性をもたらしている。

構成●THE DIGEST編集部
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