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相手打者が激高した場面も冷静に逃れた大谷翔平は5K! 今季7度目の先発は7回途中3失点で降板

THE DIGEST編集部

2021.05.29

自身のメジャー初マウンドの舞台で躍動した大谷。味方打線の援護は得られなかったが、その内容は不安を感じさせない堂々たるものだった。(C)Getty Images

自身のメジャー初マウンドの舞台で躍動した大谷。味方打線の援護は得られなかったが、その内容は不安を感じさせない堂々たるものだった。(C)Getty Images

 現地時間5月28日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、敵地で行なわれたオークランド・アスレチックス戦に先発登板した。

 チームバスが交通渋滞に巻き込まれた影響から球場入りが遅れ、先発登板をスライドさせた大谷。投手専念となった今回は、自身が苦戦している左打者を2番から6番までに並べ、揺さぶりをかけるアスレチックス打線と対峙する。

 前回登板で91マイル(約146キロ)しかでなかった速球は、初回から95マイル(約152キロ)を計測するなどキレを感じさせたが、この日は制球が定まらない。捕手のカート・スズキの構えとは逆へのボールが目立ち、本人も首をかしげる素振りを見せた。

 それでも初回を84マイルのスプリットで奪った1三振を含む無失点で切り抜けると、2回は、2奪三振を奪って、強打のアスレチックスを寄せ付けない。とりわけ88マイル(約141キロ)のスプリットでショーン・マーフィーから奪った三振シーンは、「ピッチングニンジャ」の愛称で知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏も自身のツイッター(@PitchingNinja)で「ショウヘイ・オオタニの厄介なスプリットだ」と絶賛した。

 物議を醸したのは3回だ。先頭打者のエルビス・アンドゥルースにセンター前ヒットを打たれると、続く打者マーク・カナへの2球目がすっぽ抜けて顔面付近へ。これにカナもエキサイトし、大谷に「どこ投げているんだ」と怒鳴ったのである。

 両軍ベンチも騒然となる窮地を救ったのは、“女房役”のカート・スズキだった。カナの前に毅然と立ちふさがって事態を収めると、その後も巧みなリードで大谷をサポート。フルカウントからの6球目、97マイル(約156キロ)の速球でカナを空振り三振に切ると、その間に二盗を仕掛けたアンドゥルースを刺したのだ。

 3回も無失点に抑えた大谷は、4回、5回と三者凡退で終える。味方打線は、相手の先発右腕であるショーン・マナエアに封じこまれて援護は得られなかったが、クレバーなピッチングを続けた。
【動画】相手打者が大谷翔平に激高! 乱闘寸前シーンはこちら
 
 大谷に山場が訪れたのは6回だった。先頭のアンドゥルースをセンター前ヒットで出塁されると、続くカナにはデッドボール。さらに送りバントで1死2、3塁のピンチを招くと、3番マット・オルソンにレフトへの犠牲フライで1点を許してしまった。

 それでも今日の大谷は大崩れしない。続く4番のセス・ブラウンを“伝家の宝刀”であるスプリットで空振り三振に切って、ピンチを最少失点で切り抜けた。

 やや制球に乱れはあったものの、要所を締めた大谷の粘投に打線も応える。7回にデビッド・フレッチャーが、苦戦を強いられていたマネエアから同点タイムリーを放って見せたのだ。

 ようやく味方からの援護を得て、7回のマウンドに立った大谷は、疲労からかコントロールに苦しむ。先頭のジェド・ラウリーを4球連続ボールで歩かすと、さらにミッチ・モアランドにも四球で出塁を許してしまったのだ。

 得点圏にランナーを置いた大谷は、7番のマット・チャップマンにタイムリーヒットを打たれたところで降板。勝ち星は付かなかったが、投球内容は、93球、被安打3、5奪三振を記録する粘投で試合を作ったと言えるものだった。

構成●THE DIGEST編集部
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