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「イチローを彷彿させる」ロイヤルズ放送局が語った大谷翔平とイチローの”共通点”。「途方もない才能だ」

THE DIGEST編集部

2021.06.09

イチロー(右)と大谷(左)。日本が誇る天才を、相手放送局が引き合いに出して紹介した理由とは? (C)Getty Images

イチロー(右)と大谷(左)。日本が誇る天才を、相手放送局が引き合いに出して紹介した理由とは? (C)Getty Images

 この男の存在は、日本が誇る”最強”レジェンドが引き合いに出されるほどのようだ。

 現地時間6月8日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、本拠地で行なわれたカンザスシティ・ロイヤルズ戦に「2番・DH」で先発出場。初回に先制となる今季17号2ランを放つと、続く打席では二塁打も記録し、3打数2安打1四球、1本塁打2打点の活躍でチームの勝利に貢献した。

 17本のホームランは、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)に次ぐ1本差のリーグ2位。堂々の本塁打王争いに、二刀流をこなしながら参戦しているというわけだ。

 日本人離れした圧倒的なフィジカルとパワーを誇る大谷に関して、通算696本塁打&MVP3回のアレックス・ロドリゲスは「全盛期のヒデキ・マツイとマサヒロ・タナカが一人の人間にいる」と評した。実際、現在のペースであれば、全盛期の”ゴジラ”が2004年に記録した日本人選手最多本塁打31本を悠々と更新する可能性が高い。

 そのパワーバットは間違いなく松井秀喜と共通するところだろうが、この日の試合中、相手ロイヤルズの放送局が引き合いに出したのは、一見タイプの異なる天才打者だった。

 初回の大谷の打席、ロイヤルズ放送局のアナリストを務めるレックス・ハドラー(1993年にヤクルトの日本一に貢献した元内野手)は、アナウンサーのライアン・ラフィーバー(父のジムは1974年ロッテの日本一に貢献)にこう語り始めた。

「オオタニはイチロー・スズキを彷彿とさせる存在だ」
 
 イチローといえば、日本時代に7年連続首位打者を獲得して2001年にメジャーへ移籍すると、1年目から首位打者&盗塁王を獲得してMVP、さらに10年連続200安打、通算3000安打&500盗塁をはじめ数々のマイルストーンを築き上げた最高の安打製造機だ。一方で、2ケタ本塁打は通算3回、最高で15本と、パワーヒッターの大谷とは共通点があまりなさそうである。なぜハドラー氏はイチローを引き合いに出したのだろうか。

「スウィングが非常に似ているよね。オオタニは『パワーのあるイチロー』とも言えるかもしれない」と語る同氏は、「確かにイチローは大柄な選手はなかった。しかし、打とうと思えばパワーも発揮していた。彼は200安打や独特な打撃練習でも有名だが、オオタニも同じようにやっている」とも明言。そしてこう加えた。

「才能に恵まれた左打者という点で、イチローとオオタニは同じカテゴリーにるというわけだ。彼らと同じような選手は球界にいないね」

 よどみのない、シンプルに最適化されたスウィングは、確かに共通しているように思えてくる。そしてハドラー氏が言うように、イチローは打撃練習で柵越えを連発。ホームランダービー出場を望む声もあったほどパワーも備えていた。

 この一連の会話から数分後、大谷はセンター後方に自己最長となる飛距離470フィート(約143.2m)の特大弾をかっとばした。ずっと話していた両名だが、まるで衝撃弾の余韻を味わうように大谷がホームを一周するまで沈黙。

 そして、レックス氏はこう口にした。

「途方もない才能だ」

 今季、あふれんばかりの輝きを発揮している大谷。シーズン終了まで何事もなく完走できた時、同じく途方もない才能を持ってメジャーリーグを沸かせたイチローのように、MVPを獲得する可能性も十分あるだろう。

構成●THE DIGEST編集部
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