専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

奪三振マシーンの剛腕が世界一を手繰り寄せるか!「300K」男たちのワールドシリーズを振り返る

藤原彬

2019.10.23

左からアストロズのコールとバーランダー、ナショナルズのシャーザー(C)Getty Images

左からアストロズのコールとバーランダー、ナショナルズのシャーザー(C)Getty Images

 現地10月21日にワールドシリーズが始まる。2年ぶりの王座返り咲きを目指すアストロズと球団史上初の世界一を狙うナショナルズは、互いに高い奪三振能力を備えた先発投手を擁しているのが強みだ。
 今季、アストロズのゲリット・コールは両リーグ最多の326三振を奪い、ジャスティン・バーランダーは同2位の300奪三振をマークした。マックス・シャーザー(ナショナルズ)は昨季に、300奪三振を記録した。ワールドシリーズ第1戦でコールとシャーザーが投げ合い、バーランダーは第2戦のマウンドに上がる。

 300の大台に到達した投手は前述の3人を含めて69人いるが、2リーグ制となった1901年以降では38人。そのうち「300K」と「ワールドシリーズ登板」を経験しているのは12人で、今年のワールドシリーズでは3人が追加されることになる。

 その両方を同一年に達成したのはサンディ・コーファックス(1963、65、66年)とランディ・ジョンソン(2001年)のみ。

 1963年のワールドシリーズで2完投2勝してMVPを受賞したコーファックスは、サイヤング賞も獲得。自身2度目のサイ・ヤング賞に選ばれた65年には、ワールドシリーズ初戦をユダヤ教徒の祭日である「ヨム・キプル(贖罪の日)」のため登板を拒否し、第2戦に先発して敗戦投手となった。しかし、第5、7戦でア・リーグ最多の得点を挙げていたツインズ打線を完封して、こちらも2度目となるシリーズMVPに輝いている。

 翌66年もコーファックスはワールドシリーズ第2戦に先発し、またも黒星。チームが4連敗で敗退したため、次の登板機会は訪れなかった。コーファックスはこの年もサイ・ヤング賞に選出される活躍ながら、シリーズ後に左ヒジの故障を理由として30歳で現役を引退を表明している。

 ジョンソンは史上最多タイの通算6回もシーズン300奪三振を記録しているが、ダイヤモンドバックス時代の2001年が唯一のワールドシリーズ出場。前年まで3連覇中のヤンキースに対して、まずは第2戦に完封勝利すると、第6戦も先発して勝利投手になり、第7戦は救援登板で白星を挙げた。シリーズ3勝でMVPに輝いた活躍は語り草だ。

 2人の左腕に次ぐ史上3、4人目の投手として、コールとバーランダーはワールドシリーズ史に名を刻むことになる。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号