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MLB

大谷翔平、まさかのボーク判定から2失点も、“MVPコール”が巻き起こる圧巻二塁打で勝ち越し点を呼び込む!

THE DIGEST編集部

2021.06.12

毎回のようにピンチを招き、3回には自打球で膝を痛めるアクシデントに見舞われた大谷。それでも要所で奮闘してチームを力強く牽引した。(C)Getty Images

毎回のようにピンチを招き、3回には自打球で膝を痛めるアクシデントに見舞われた大谷。それでも要所で奮闘してチームを力強く牽引した。(C)Getty Images

 現地時間6月11日に敵地で行なわれたアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦に、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は「2番・投手」で先発。ナショナル・リーグの球場で先発投手が打線の上位4人に組み込まれるのは、1901年以来の快挙となった。
【動画】ボーク判定に明らかな不満げな表情を浮かべる大谷翔平の姿はこちら

 注目の一戦の出だしは上々だった。1回表の第1打席こそ一塁ゴロに終わったものの、その裏のピッチングでは、今季の打率.361の巧打者ケテル・マーテイを94マイル(約151キロ)の直球で空振り三振に打ち取るなど、2つの奪三振を記録する三者凡退で終わらせた。

 続く2回、1死から相手5番のペイビン・スミスに二塁打を打たれたものの、後続を抑えた大谷。“女房役”のカート・スズキのソロホームランで1点の援護を得た3回表、1死1塁の場面で第2打席を迎える。

 初球からフルスイングと積極性を打ち出したこの打席だったが、2球目がバットに当たった自身の右膝に直撃した。さすがに苦悶の表情を浮かべた背番号17だったが、カウント2-2からの6球目をジャストミート。114マイル(約185キロ)のライナーで右中間を破ると、この間に一塁ランナーが一気に生還し、自身も痛みを堪えながら二塁に駆け込んだ。

 その後、アンソニー・レンドーンのセンター前ヒットの間にホームインした大谷は、膝の痛みが不安視されたが、その裏のマウンドに立つ。しかし、やはりダメージの影響からか制球が安定せずに、1死から2者連続で出塁を許してしまう。

 それでも後続のマーテイとアスドゥルバル・カブレラを仕留めてスコアボードにゼロを刻んだ右腕は、4回にも1死2、3塁のピンチを招いたが、ここは“伝家の宝刀”であるスプリットと最速100マイル(約160キロ)を記録したフォーシームが冴え渡り、2者連続三振に。なんとか難局を乗り切った。

 5回表の第3打席で相手ピッチャーを強襲するもゴロアウトに打ち取られた大谷は、その裏の投球でも1死を取ってから死球と四球で1、2塁と得点圏にランナーを許す。ここで3番のカブレラを打ち取ったが、直後の4番エデュアルド・エスコバーを迎えたところで、2つのボークを取られて1失点。さらにカウント1-2から空振り三振に切った場面では、キャッチャーのスズキが捕逸し、この間に3塁ランナーが帰還した。
 
 被安打ゼロで1点差に詰め寄られたエンジェルスは、6回表の攻撃ですぐさま突き放す。1死1、3塁の好機で、マルチヒットを放っていたスズキがセンター前タイムリーヒットを放って、スコアを4-2とした。

 その裏、エンジェルスは勝利投手の権利を得ていた大谷をライトの守備につかせ、マウンドには22歳の右腕クリス・ロドリゲスを送り出すが、この継投策が裏目に出る。無死2、3塁の場面でスズキのエラーが絡んで失点すると、ジョシュ・ロハスにタイムリーを打たれて同点とされてしまった。

 自滅に近い形で大谷の「今季3勝目」を消滅させたエンジェルスは、一つのアウトも奪えなかったロドリゲスをマウンドから降ろし、敵地での防御率が0.00というマイク・マイヤーズを送り出して、なんとか“火消し”に成功する。

 4-4で終盤を迎えたエンジェルスは、7回表の攻撃で上位打線がチャンスメイクする。先頭のジャスティン・アップトンが内野安打で出塁すると、スタンドから「MVP」コールも起きたなかで打席に立った大谷がライトフェンス直撃の二塁打で続くと、1アウト取られてから満塁の絶好機を創出する。

 直後に相手バッテリーのワイルドピッチの間に1点をもぎ取ったビジターチームは、その裏に大谷をベンチへ。外野のマルチプレーヤーであるフアン・ラガーレスを送り込んで逃げ切りを図った。

構成●THE DIGEST編集部
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