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【注目のMLBスターファイル】愛称は“ヤーミネーター”!遅咲きの怪物ルーキー、ヤーミン・メルセデス<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.06.15

パワーもすさまじいが、その割には空振りが少ない。4月は22試合中、無安打に終わったのはたった2試合と確実性も高かった。(C)Getty Images

パワーもすさまじいが、その割には空振りが少ない。4月は22試合中、無安打に終わったのはたった2試合と確実性も高かった。(C)Getty Images

 大谷翔平(エンジェルス)の活躍が日々、大きな話題を集めているが、メジャーリーグには他にもエキサイティングな選手が大勢いる。今回は開幕からのサプライズ的な大活躍で注目を浴びている遅咲きのルーキー、ヤーミン・メルセデス(ホワイトソックス)を紹介しよう。

 現地時間6月10日現在、ア・リーグ中地区の首位を走るホワイトソックス。その中で今最も売り出し中なのが、今年28歳の“新人”、ヤーミン・メルセデスだ。

 エンジェルスと対戦した開幕2戦目でメジャー初スタメンを飾ると、5打数5安打の固め打ち。次の試合でも最初の3打席で続けて安打を放ち、史上初となる開幕8打席連続安打を達成した。勢いそのまま2021シーズン最初のア・リーグ週間MVPを受賞すると、4月は打率.415に5本塁打、OPS1.113と打ちまくり、月間最優秀新人にも選ばれた。

 5月以降はやや調子を落としているが、怪物ルーキーは大きな話題を振りまいた。17日のツインズ戦では、11点差の9回、敗戦処理でマウンドに上がっていた相手野手が、カウント3-0から投じた47.1マイル(約75.8キロ)のボールを強振。これを本塁打にすると、何と味方であるはずの監督トニー・ラルーサから、「間違いを犯した」と批判され、球界に広く議論を巻き起こした。
 
 ニックネームは映画『ターミネーター』にちなんだ“ヤーミネーター”。この独特の愛称もすっかり定着し、ホワイトソックスの新たな顔になった感のあるメルセデスだが、前述の通りかなりの遅咲きだ。

 海外フリーエージェントとしてナショナルズと契約したのが10年前、18歳の時だったが、2年後には早くもクビに。14年シーズンは、あまりレベルが高いとは言えない独立リーグでプレーした。その後はオリオールズのマイナーに拾われたが芽が出ず、数年前にはメジャーへの夢をあきらめようとしたこともあったそうだ。

 しかし、父親からあきらめずにプレーするべきだと熱弁されて翻意。18年からホワイトソックスに所属すると、昨季は1試合だけながらメジャーデビューを果たした。有望株として評価されたこともなく、実績はほとんどなかっただけに、今季開幕からの大活躍は完全に予想外だった。

 今季、晴れてメジャーの舞台を満喫できるようになったメルセデスの夢は、オールスター・ゲームのホームラン・ダービーに出ることだ。現地時間6月13日時点で7本塁打とやや本数は少ないように思えるが、4月8日には約150メートルにも及ぶ超特大の一発を放つなど、パワーは申し分ない。

「神が僕に機会を与えてくれている。どんな瞬間でもできる限りハードにプレーするのが僕だ。ホームラン・ダービーに出て、僕のホームランをファンに見せたいんだよ」

 近年は球宴本番よりも注目を浴びることの多いHRダービーは、新たなスターが伝説を作るのにふさわしい。メルセデスが並み居るスラッガーたち――もしかしたら大谷翔平とも対決するかもしれない――と、名勝負を繰り広げるのを是非見てみたい。

構成●SLUGGER編集部
 
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