今シーズンのメジャーリーグにおいて、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の存在感は光り輝いていると言っていい。実際、投打二刀流において十分すぎるほどの活躍を見せているのだから。
しかし、ことピッチングにおいては、その大谷以上に圧倒的とも言える選手がいる。ニューヨーク・メッツが誇る大エース、ジェイコブ・デグロムだ。
2018~19年にサイ・ヤング賞を獲得したデグロムは、今季の4シームの平均球速が99.2マイル(159.6キロ)という異常なレベルに達し、開幕11先発(67.0回)を終えて防御率0.54、奪三振率14.91、WHIP0.51。いずれもメジャー新記録を狙える衝撃的な数字を残している。さらに今季はバッティングも良く、打率.423、6打点。自責点(4)が打点を下回るという、これまた異常事態が起きている。
だがこの快投に水を差すように、最強投手の肉体に異変が生じているのだ。
5月上旬に右わきの張りで離脱すると、復帰後の6月11日サンディエゴ・パドレス戦では、80球で6回2安打無失点10Kと好投しながら右肩の不調を訴えて降板。そして、6月16日の試合も、3回完全投球8奪三振という形容しがたい投球を見せていたが、またも右肩に違和感を覚えてマウンドを後にしたのだった。
MRIの結果が問題なければ、すぐに復帰する意向とのこと。そして、デグロムは自ら故障の原因を考察したところ、打席でのスウィングが一因なのではないかという。確かに今季は、いつも以上に“投手らしくない”全力スウィングで自らを助けている。しかし、打撃でもエンジン全開なのは、過去の“悲劇”がもたらした影響とも言えなくもない。
デグロムはサイ・ヤング賞を獲得した時も圧倒的な成績を残しながら、10勝9敗、11勝8敗と全然勝てなかった。やたら援護が少ない上に、後続の救援陣がリードを守り切れないことが多発していたからである。「野手が助けてくれない。なら自分がやるしかない」という思考になった結果、必要以上に力を使いすぎてしまい、自らの肉体に悪影響が出てしまったのだしたら、それは非常に残念なことだ。
それはファンだけではない。同じ地区で鎬を削る他球団の選手すらからも、同じようなコメントが出ている。昨年MVPを受賞したフレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)は友人であるデグロムにこうメッセージを送ったという。
「毎試合、ヒットを打って打点を上げているよね(本当にすごい)。でも、球界が必要としているのは、5日ごとに投げるキミなんだよ」
フリーマンだって、おそらくデグロムと対戦したいとは思っていないだろう。この最強投手を打ち崩すのは至難の業だ。しかし、そうしたものを抜きにしても、デグロムのピッチングはファンも、選手も魅了してやまないのである。
ただもし、デグロムの故障が打撃にあるのだとしたら、投打両面で魅了していた姿がなくなると思うと残念な気持ちだ。そして同時に、本当の意味で二刀流をこなしている大谷の肉体は、一体どうなっているのかと、驚きと不安の意味で気になるところでもある。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】最強投手デグロムが3回8奪三振と快投! 無事に復帰してほしい
しかし、ことピッチングにおいては、その大谷以上に圧倒的とも言える選手がいる。ニューヨーク・メッツが誇る大エース、ジェイコブ・デグロムだ。
2018~19年にサイ・ヤング賞を獲得したデグロムは、今季の4シームの平均球速が99.2マイル(159.6キロ)という異常なレベルに達し、開幕11先発(67.0回)を終えて防御率0.54、奪三振率14.91、WHIP0.51。いずれもメジャー新記録を狙える衝撃的な数字を残している。さらに今季はバッティングも良く、打率.423、6打点。自責点(4)が打点を下回るという、これまた異常事態が起きている。
だがこの快投に水を差すように、最強投手の肉体に異変が生じているのだ。
5月上旬に右わきの張りで離脱すると、復帰後の6月11日サンディエゴ・パドレス戦では、80球で6回2安打無失点10Kと好投しながら右肩の不調を訴えて降板。そして、6月16日の試合も、3回完全投球8奪三振という形容しがたい投球を見せていたが、またも右肩に違和感を覚えてマウンドを後にしたのだった。
MRIの結果が問題なければ、すぐに復帰する意向とのこと。そして、デグロムは自ら故障の原因を考察したところ、打席でのスウィングが一因なのではないかという。確かに今季は、いつも以上に“投手らしくない”全力スウィングで自らを助けている。しかし、打撃でもエンジン全開なのは、過去の“悲劇”がもたらした影響とも言えなくもない。
デグロムはサイ・ヤング賞を獲得した時も圧倒的な成績を残しながら、10勝9敗、11勝8敗と全然勝てなかった。やたら援護が少ない上に、後続の救援陣がリードを守り切れないことが多発していたからである。「野手が助けてくれない。なら自分がやるしかない」という思考になった結果、必要以上に力を使いすぎてしまい、自らの肉体に悪影響が出てしまったのだしたら、それは非常に残念なことだ。
それはファンだけではない。同じ地区で鎬を削る他球団の選手すらからも、同じようなコメントが出ている。昨年MVPを受賞したフレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)は友人であるデグロムにこうメッセージを送ったという。
「毎試合、ヒットを打って打点を上げているよね(本当にすごい)。でも、球界が必要としているのは、5日ごとに投げるキミなんだよ」
フリーマンだって、おそらくデグロムと対戦したいとは思っていないだろう。この最強投手を打ち崩すのは至難の業だ。しかし、そうしたものを抜きにしても、デグロムのピッチングはファンも、選手も魅了してやまないのである。
ただもし、デグロムの故障が打撃にあるのだとしたら、投打両面で魅了していた姿がなくなると思うと残念な気持ちだ。そして同時に、本当の意味で二刀流をこなしている大谷の肉体は、一体どうなっているのかと、驚きと不安の意味で気になるところでもある。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】最強投手デグロムが3回8奪三振と快投! 無事に復帰してほしい