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最強デグロムの故障原因は“二刀流”!? 相手主砲は「球界が必要としているのは、5日ごとに投げるキミ」と激励

THE DIGEST編集部

2021.06.19

今季は投打で大活躍を見せるデグロム。しかし、バッティングの頑張りが肉体に悪影響を与えていた可能性があるという。(C)Getty Images

 今シーズンのメジャーリーグにおいて、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の存在感は光り輝いていると言っていい。実際、投打二刀流において十分すぎるほどの活躍を見せているのだから。

 しかし、ことピッチングにおいては、その大谷以上に圧倒的とも言える選手がいる。ニューヨーク・メッツが誇る大エース、ジェイコブ・デグロムだ。

 2018~19年にサイ・ヤング賞を獲得したデグロムは、今季の4シームの平均球速が99.2マイル(159.6キロ)という異常なレベルに達し、開幕11先発(67.0回)を終えて防御率0.54、奪三振率14.91、WHIP0.51。いずれもメジャー新記録を狙える衝撃的な数字を残している。さらに今季はバッティングも良く、打率.423、6打点。自責点(4)が打点を下回るという、これまた異常事態が起きている。

 だがこの快投に水を差すように、最強投手の肉体に異変が生じているのだ。

 5月上旬に右わきの張りで離脱すると、復帰後の6月11日サンディエゴ・パドレス戦では、80球で6回2安打無失点10Kと好投しながら右肩の不調を訴えて降板。そして、6月16日の試合も、3回完全投球8奪三振という形容しがたい投球を見せていたが、またも右肩に違和感を覚えてマウンドを後にしたのだった。

  MRIの結果が問題なければ、すぐに復帰する意向とのこと。そして、デグロムは自ら故障の原因を考察したところ、打席でのスウィングが一因なのではないかという。確かに今季は、いつも以上に"投手らしくない"全力スウィングで自らを助けている。しかし、打撃でもエンジン全開なのは、過去の"悲劇"がもたらした影響とも言えなくもない。
 
 デグロムはサイ・ヤング賞を獲得した時も圧倒的な成績を残しながら、10勝9敗、11勝8敗と全然勝てなかった。やたら援護が少ない上に、後続の救援陣がリードを守り切れないことが多発していたからである。「野手が助けてくれない。なら自分がやるしかない」という思考になった結果、必要以上に力を使いすぎてしまい、自らの肉体に悪影響が出てしまったのだしたら、それは非常に残念なことだ。

 それはファンだけではない。同じ地区で鎬を削る他球団の選手すらからも、同じようなコメントが出ている。昨年MVPを受賞したフレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)は友人であるデグロムにこうメッセージを送ったという。

「毎試合、ヒットを打って打点を上げているよね(本当にすごい)。でも、球界が必要としているのは、5日ごとに投げるキミなんだよ」

 フリーマンだって、おそらくデグロムと対戦したいとは思っていないだろう。この最強投手を打ち崩すのは至難の業だ。しかし、そうしたものを抜きにしても、デグロムのピッチングはファンも、選手も魅了してやまないのである。

 ただもし、デグロムの故障が打撃にあるのだとしたら、投打両面で魅了していた姿がなくなると思うと残念な気持ちだ。そして同時に、本当の意味で二刀流をこなしている大谷の肉体は、一体どうなっているのかと、驚きと不安の意味で気になるところでもある。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】最強投手デグロムが3回8奪三振と快投! 無事に復帰してほしい
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