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大谷翔平はどんな“伝説”を残すのか。MLBホームラン・ダービー名場面を振り返る<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.06.20

地元ファンの見守る前で奇跡の逆転劇を果たしたハーパー。今年はどんなドラマが待っているだろうか。(C)Getty Images

 大谷翔平(エンジェルス)が出場を表明したMLBオールスターのホームラン・ダービー。過去にも数多くのスラッガーが"真夏の祭典"を盛り上げてきた。大谷の活躍を期待しつつ、今もファンの記憶に残る5つの名場面を振り返ってみよう。

●これぞ千両役者!親子で奇跡の逆転優勝
ブライス・ハーパー(ナショナルズ)/2018年


 この年のオールスターが行われたのはナショナルズ・パーク。ご当地選手として出場した"神童"ハーパーは、敬愛する父ロンを打撃投手に指名し、親子でダービーを勝ち上がっていく。決勝ではカイル・シュワーバー(カブス)と対戦。残り50秒時点で9本差をつけられ、敗色濃厚と思われたハーパーだが、そこから猛烈な勢いで巻き返す。残り3秒時点で放った滞空時間の長い当たりが右中間上段席に吸い込まれ、ついに同点。最後はセンター右に放り込み、奇跡の逆転勝ちを収めた。

 星条旗柄のアームサポーターとバットを身にまとったハーパーの千両役者ぶりに、球場を埋めた大観衆は熱狂。一方、ハーパーは「家族を養うために毎日毎日、懸命に働いてくれた」父にトロフィーを渡して喜びを分かち合った。
 
●HRダービー史上最高のパフォーマンス
ジョシュ・ハミルトン(レンジャーズ)/2008年


 今も「ホームラン・ダービー史上最高のパフォーマンス」として語り継がれるのがこの年のハミルトンだ。ドラフト全体1位指名でプロ入りしながら、ドラッグや酒に溺れて一時は半引退状態に追い込まれたハミルトンは、紆余曲折を経て07年にメジャーデビュー。初の球宴の舞台に立った天才スラッガーは、遺憾なく才能を発揮した。

 特にすごかったのがファーストラウンドで、13球連続を含む28本の策越え。ヤンキー・スタジアムに詰めかけたファンを唖然とさせた。飛距離500フィート(約152メートル)超えの特大アーチも3本。実はこの年の優勝者はジャスティン・モアノー(ツインズ)なのだが、最もインパクトを残したのは間違いなくハミルトンだった。

●外野席後方の倉庫に到達する最長不倒弾
ケン・グリフィーJr.(マリナーズ)/1998年


 あのイチローの憧れの選手でもあったグリフィーJr.は、1990年代最大のスーパースターだった。90年から11年連続でオールスターに選出され、ホームラン・ダービーの常連でもあり、94年、98~99年には優勝している。だが、ファンの記憶に最も残っているのはオリオールズの本拠地オリオール・パーク・アット・カムデンヤーズで行われた93年のダービーだ。
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