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【独占インタビュー】偉大な野球一家出身の若き指揮官ルイス・ロハス(メッツ)が語る“監督哲学”<SLUGGER>

杉浦大介

2021.07.08

物腰は穏やかでキャラクターも地味ながら、監督しての評価はうなぎ上りだ。(C)Getty Images

物腰は穏やかでキャラクターも地味ながら、監督しての評価はうなぎ上りだ。(C)Getty Images

 大富豪スティーブ・コーエンがオーナーに就任して新たなスタートを切った2021年のニューヨーク・メッツ。5月9日以降はナ・リーグ東地区の首位を守り続けているが、ここまですべてが順風満帆だったわけではない。多くの主力が故障離脱し、10年3億4100万ドルで新契約を結んだばかりのフランシスコ・リンドーアは打撃不振。そんな状況下でも、投手陣の頑張りと日替わりヒーローの登場で勝ちを拾ってきた。

 この波乱のシーズンで、ルイス・ロハス監督の冷静な手綱さばきも評価を集めるようになってきた。選手としてだけでなく、監督でも成功したフェリペ・アルーを父に持つメジャー史上6人目の二世監督であり、2人の叔父フェリペ、マティ、そして兄モイゼスもメジャーリーガーという野球一家の出身だ。そんな背景もあってか、39歳という年齢以上の思慮深さを備え、選手個々の持ち味を上手に引き出している印象がある。

 7月2日、ヤンキー・スタジアムのフィールドでロハス監督にじっくりと話を聞いた。その言葉には深みと含蓄があり、監督就任2年目にして選手たちの信頼を得た理由が伝わってくるように感じられた。
――前半戦のメッツは故障者が多かったにも拘らず、5月上旬以降はナ・リーグ東地区の首位を守り続けている要因はどこにあるのでしょう?

 春季キャンプから築き上げてきたチーム全体のマインドセットが大きいのだろうと考えています。過ぎてしまったことを考えすぎるのでも、落ち込むのでもなく、未来を楽しみにするメンタリティ。確かに多くの故障者が出ましたが、そのマインドセットがチームに根付いているからこそ戦い続けてこられたのです。現在のロースターには、キャンプ時点ではチームにいなかった選手も多いですが、チーム全体が一丸となっているおかげで、途中加入の選手もすぐに同じ考え方を持ってプレーできるんでしょう。

――そんなチームを先頭に立って引っ張っている選手は誰でしょう?

  やはりリンドーアの存在は大きいですね。彼は今季からこのチームの新しいカルチャーの一部となりました。すぐにクラブハウスのリーダーになり、尊敬を集めています。新しく加入した選手たちの中でも、最も優れた実績を残していますが、それでも誰に対しても同じように接しています。

 それこそが彼の最高の長所だと私は思っています。おかげでチームメイトたちの信頼を得て、新加入の選手たちも彼を見て同じようにハードにプレーしてくれています。(途中加入で活躍している)ビリー・マッキニーなどはその好例ですね。新加入でもよそ者だなどとは捉えられず、すぐにファミリーの一員となって力を出せる環境が整っているんです。
 
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