[日本シリーズ第4戦]ソフトバンク4-3/10月23日/東京ドーム
工藤公康監督が交代を告げに歩き出した瞬間を見て、もう勝負は決したかもしれないとふと思った。
巨人の主砲・岡本和真が6回裏にシリーズ初本塁打で1点差に追い上げる試合展開のまま、日本シリーズ第4戦は、終盤にターニングポイントを迎えていた。
7回表、1死から福田秀平のサードゴロを岡本がエラー。続く松田宣浩が三遊間に内野安打を放って好機を拡大すると、このチャンスに、工藤監督はすかさず代打を告げたのだった。
8番・甲斐拓也に変えて、長谷川勇也がバッターボックスに向かった。前日に続いての勝負手だったが、この時、その後方には、中村晃がバットを振っていた。
巨人の先発はエース・菅野智之だった。
腰痛を発症して戦線離脱していたが、日本シリーズになんとか間に合わせてきた。といっても体調は万全ではなく、投げてから痛みが再発するかもしれない危険を孕んでの登板だった。
菅野は序盤3回を無難に立ち上がったものの、4回、グラシアルに3点本塁打を浴びた。
それでも粘って投げていたのだが、1点差に詰め寄った後の7回表に、このピンチと対峙したのである。
菅野の身体は限界に近づいていた。
本来なら、継投を決断すべきだろう。長谷川の後に中村バットを振っているのだから、勝ち継投の一人、サウスポーの中川皓太の投入をすべきタイミングではあった
だが、しなかった。できなかったというのが正直なところだろう。
内川聖一、川島慶三がベンチには控えていたのだ。
菅野はもう一踏ん張りを目指して続投。
代打の長谷川はセカンドゴロに打ち取ったが、巨人の二塁手・山本泰寛がさばいて二塁ベースに送球したところ、これが悪送球となった。決定的とも言える1点がソフトバンクに入った。勝負は決したといってよかった
両チームが抱えている駒の数に絶望的なほどの差がある。この場面では菅野は打ち取っているのだが、アウトにできないところに、両チームの差はあった。
改めて2019年の日本シリーズはソフトバンクの駒の多さが目立ったものだった。
早めに仕掛けていく工藤采配はギャンブルにも映ったが、早々に選手交代を仕掛けても、後ろに控える選手がいる。その厚さこそが、シリーズを4―0という圧倒的なものにしてしまった要因と言っていい。
工藤公康監督が交代を告げに歩き出した瞬間を見て、もう勝負は決したかもしれないとふと思った。
巨人の主砲・岡本和真が6回裏にシリーズ初本塁打で1点差に追い上げる試合展開のまま、日本シリーズ第4戦は、終盤にターニングポイントを迎えていた。
7回表、1死から福田秀平のサードゴロを岡本がエラー。続く松田宣浩が三遊間に内野安打を放って好機を拡大すると、このチャンスに、工藤監督はすかさず代打を告げたのだった。
8番・甲斐拓也に変えて、長谷川勇也がバッターボックスに向かった。前日に続いての勝負手だったが、この時、その後方には、中村晃がバットを振っていた。
巨人の先発はエース・菅野智之だった。
腰痛を発症して戦線離脱していたが、日本シリーズになんとか間に合わせてきた。といっても体調は万全ではなく、投げてから痛みが再発するかもしれない危険を孕んでの登板だった。
菅野は序盤3回を無難に立ち上がったものの、4回、グラシアルに3点本塁打を浴びた。
それでも粘って投げていたのだが、1点差に詰め寄った後の7回表に、このピンチと対峙したのである。
菅野の身体は限界に近づいていた。
本来なら、継投を決断すべきだろう。長谷川の後に中村バットを振っているのだから、勝ち継投の一人、サウスポーの中川皓太の投入をすべきタイミングではあった
だが、しなかった。できなかったというのが正直なところだろう。
内川聖一、川島慶三がベンチには控えていたのだ。
菅野はもう一踏ん張りを目指して続投。
代打の長谷川はセカンドゴロに打ち取ったが、巨人の二塁手・山本泰寛がさばいて二塁ベースに送球したところ、これが悪送球となった。決定的とも言える1点がソフトバンクに入った。勝負は決したといってよかった
両チームが抱えている駒の数に絶望的なほどの差がある。この場面では菅野は打ち取っているのだが、アウトにできないところに、両チームの差はあった。
改めて2019年の日本シリーズはソフトバンクの駒の多さが目立ったものだった。
早めに仕掛けていく工藤采配はギャンブルにも映ったが、早々に選手交代を仕掛けても、後ろに控える選手がいる。その厚さこそが、シリーズを4―0という圧倒的なものにしてしまった要因と言っていい。