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「ゴースト・フォークだ」劇的勝利を呼び込む奪三振ショー。千賀滉大の快投に米識者も熱視線「MLBチームにマークされる」【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.08.03

アメリカ打線を翻弄した千賀。その快投で日本に流れを大きく引き寄せた。(C)Getty Images

 劇的勝利を呼び込む快投に、海外からも熱視線が向けられた。

 8月2日、ノックアウトラウンド初戦でアメリカと戦った日本は、延長戦にもつれ込む激闘を逆転サヨナラで制した。一時は3点差まで離されるものの、10回1死二、三塁から甲斐拓也(ソフトバンク)のライトオーバーのタイムリーで趨勢を定めた。

 侍ジャパンにとっては決して楽な戦いではなかった。5回には、3番手の青柳晃洋(阪神)が、4番トリントン・カサスに3ランホームランを浴び、3対6と突き放された。

 嫌なムードが立ち込めるなかで、ふたたび流れを手繰り寄せたのは、6回から登板した千賀滉大(ソフトバンク)だ。

 7月末の怪我から復帰したばかりの右腕だったが、攻勢を強めんとするアメリカ打線をピシャリと抑える。6回には9番ニック・アレン、1番ジェイミー・ウエストブルック、2番エディ・アルバレスを三者連続空振り三振に切って取ると、続く7回も1死から二塁打を打たれたものの、後続を危なげなく断ち切ってみせた。

 2回35球を投げて5三振をマークする快投。これが侍ジャパンの勢いを生み出し、その後の反攻に繋がったのは言うまでもない。
 
 千賀の清々しいまでのピッチングには、海外の識者も目を丸くする。この東京オリンピックを取材し続けている米専門メディア『Baseball America』のカイル・グラサー記者は、「コウダイ・センガは95マイルから99マイルの速球を日本のために投げた」と興奮気味にリポートした。

「彼は通常は先発として90マイル(約145キロ)中盤から後半のボールを投げる。だが、今大会は足首の負傷による投球不足によってリリーフに回っている。いずれにしてもセンガは、私のMLBチームに長く求められてきた投手だ。彼がフリーエージェントになった時には、常にマークされるだろう」

 また、アメリカの打者たちを翻弄した落差の大きいフォークにも賛辞が寄せられた。「ピッチングニンジャ」の愛称で知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏は自身のツイッターにおいて、こう記している。

「コウダイ・センガの"ゴースト・フォーク"だ」

 このピッチングニンジャの分析にグラサー記者は「センガのフォークはリリーフ時に99マイルの速球と組み合わせると、太平洋の打者たちにとっては非常に困難なワンツーパンチになる」と持論を寄せた。

 日本球界でも格の違いを見せつけてきた千賀。自身の代名詞とも言える伝家の宝刀"お化けフォーク"を交えたピッチングは、世界の大舞台でも鮮烈なインパクトを残した。

構成●THE DIGEST編集部

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