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「ファンの失望は想像できる」元阪神オ・スンファンが、屈辱の“炎上”に悲痛な心境を吐露「本当に難しい」【東京五輪】

THE DIGEST編集部

2021.08.07

土壇場で打ち込まれてしまったオ・スンファン。国内メディアからも非難を受けた守護神は、自身の心境を告白した。(C)Getty Images

 8月7日に横浜スタジアムで行なわれた3位決定戦で、韓国はドミニカ共和国に逆転負けを喫した。2008年の北京五輪では金メダルに輝いたが、日本戦からの3連敗で大会を終えることになった。

 雌雄が決したのは、韓国が1点リードで迎えた8回裏だった。1死満塁のピンチでマウンドに元阪神の抑えであるオ・スンファンを送り込んだが、暴投で同点とされ、さらに二、三塁から元巨人の4番・フランシスコに勝ち越しの左中間二塁打を浴びた。

 39歳のベテラン守護神は、続くミエセスにレフトへの特大2ランを被弾。4点を勝ち越され、わずか1/3イニングで無念の降板となった。

 追加招集というかたちで参戦し、若手中心の投手陣を支えた。それでも最後に大役を果たせなかったオ・スンファンは、ベンチで悔しそうに唇を噛みしめていた。
 
 無冠に終わったチームについて、韓国の全国メディア『聯合ニュース』は、「井の中の蛙。大海を知らず」と銘打ち、「今の韓国野球の実力は米国のマイナーリーグの2Aレベルに過ぎない。大きな教訓を得た」と酷評するなど、早くも風当たりが強まっている。

 そうしたなかで、地元放送局『YNA』など複数メディアの試合後に取材に応じたオ・スンファンは、「残念で申し訳ない……」と心境を打ち明けた。

「本当に何と言うべきかが分からない。どんな言葉もこの気持ちを説明するのは難しい。僕自身、今回の五輪が最後だと思っていたし、そのことは選手たちとも話をしていた。だからこそ、しっかりと良い結果で終わらせたかった」

 さらに「多くの野球ファンの失望は想像できる」と母国のファンの気持ちも慮ったオ・スンファンは、「この試合を通じてチームが前進した姿は示せたとは思う。この結果を受けて、若い選手たちが成長してくれると信じている」と後進たちの飛躍を願った。

構成●THE DIGEST編集部