侍ジャパン

「若い選手はどっしりしていた」最年長の田中将大は若手を称賛。元同僚のアメリカ4番から“ねだられた物”とは?【東京五輪】

江國 森(THE DIGEST編集部)

2021.08.08

アメリカとの決勝後、大会を振り返った田中。(C)Getty Images

 8月7日に行なわれた東京五輪・野球競技の決勝で、日本は準々決勝でも下したアメリカに2対0の完封勝利。1984年のロサンゼルス大会以来37年ぶり、正式競技としては初の金メダルに輝いた。

 試合後、取材に応じた田中将大(楽天)は、19歳で選出され、4位に終わった北京五輪のチームとの違いについて問われると、「前のチームと比べられる感じになると思うので、答え方が難しいですね」と明言を避けた。

 この決勝で3回に先制ホームランを打った村上宗隆(ヤクルト)をはじめ、先発した森下暢仁(広島)、中継ぎ役をこなした伊藤大海(日本ハム)、絶対的な守護神となった栗林良吏(広島)など、今大会は若手の躍動が目立った。

「僕たちが最年長でしたけど、若い選手はみんなどっしりしていましたし、自分のパフォーマンス出せていた。だからこそ、勝つことできたと思う」と32歳は後輩たちを称えた。
 
 だが、自身は準々決勝のアメリカ戦に先発して4回途中3失点で降板。登板はこの1度だけとなった。

「こういう経験をさせてもらって、グラウンド上で結果を残せなかった点はフラストテーションが溜まっている」

 決勝でも登板機会はなかった。ただ、「去年までアメリカでプレーしていたので変な感じ」という米国との再戦では、元同僚にあるものを手渡したという。この試合にアメリカンの4番サードで出場し、ゲームセット後に抱擁を交わした、ヤンキース時代の同僚トッド・フレイジャーだ。

「彼から、こっちにいる間にジャパンのバッジをくれと言われてたんで、今日、試合が終わった後に渡しました」

 自身は思うようなパフォーマンスを残せなかったが、これまでの経験を伝え、若手を支えた田中。「このチームで一緒にプレーできたこと、優勝できたことは誇りに思うし、嬉しい」と満足そうな表情を浮かべた。

取材・文●江國 森(THE DIGEST編集部)

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