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侍ジャパン

「攻守でミスがほとんどなかった」着実な得点力と堅実なディフェンスが勝利につながった【里崎智也が語る侍ジャパン金メダルの要因】

里崎智也

2021.08.12

決勝で相手の送球ミスをきっかけに2点目が入ったシーン。こうした場面で手堅く得点を重ねていったのが金メダルの要因だった。(C)Getty Images

決勝で相手の送球ミスをきっかけに2点目が入ったシーン。こうした場面で手堅く得点を重ねていったのが金メダルの要因だった。(C)Getty Images

 この東京五輪で、1984年のロサンゼルス五輪以来(公開競技)となる金メダルを獲得した野球日本代表。果たしてその勝因はどこにあったのか。2006年の第1回WBCで日本代表の正捕手として世界一に貢献した里崎智也氏が解説してくれた。

「金メダルを獲得できた最大の理由は、ディフェンス面でも攻撃面でも、ミスがほとんどなかったことです。短期決戦の国際試合は、異本的にミスをした方が負けるというのがほとんど。しかもそのミスが致命的であればあるほど、敗北につながりやすい」

 里崎氏が真っ先に挙げたのはこのポイントだった。確かに今大会の侍ジャパンは大きなミスがなく、守備面では、5試合で1失策のみ。堅実なディフェンスで無駄な失点を許さなかった。継投面では、青柳晃洋が交代直後に2試合続けて失点したのが数少ない失敗例と言えるが、どちらの試合も後を継いだ投手陣の踏ん張りと打線の奮起で結果的に勝利を収めている。
 対照的に、対戦相手は初戦のドミニカ共和国にしても、準決勝の韓国にしても守備の綻びをきっかけに崩れ、日本に敗れている。アメリカとの決勝戦もそうだった。

 日本が1対0とリードした8回1死二塁で、吉田正尚が放ったセンター前ヒットを処理したセンターのジャック・ロペスのバックホームが、三塁側に逸れる“暴投”に。スコット・マクガフのバックアップへも遅れ、二塁走者の山田哲人が生還して貴重な2点目が入る形となった。

「相手のミスを見逃さずに、しっかりと得点に結びつけたことが今大会の侍ジャパンの強さの一つでもあった」と里崎氏は指摘する。選手一人一人がミスの少ないプレーに徹し、その上で相手の隙は見逃さない。里崎氏が「今大会のキーマンは全員」と語ったように、日本らしい堅実な野球に徹した全員野球の勝利だった。

解説●里崎智也

【プロフィール】
さとざき・ともや/1976年生まれ。鳴門工高、帝京大を経て98年ドラフト2位でロッテに入団。05年にロッテの日本一に貢献すると、翌年の第1回WBCで日本代表メンバーに選ばれて優勝を経験。14年を最後に現役を引退し、現在は野球解説者として活躍。YouTubeの『Satozaki Channel』は登録者数40万人を超える人気を集める。

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