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打順変更で調子は上向き!名将マッドンが大谷翔平を1番に抜擢した理由「相手は勝負を避けられなくなる」

THE DIGEST編集部

2021.08.13

マッドン(右)の起用法に見事に応えた大谷(左)。久々の本塁打には、指揮官の明確なプランニングが寄与していた。(C)Getty Images

マッドン(右)の起用法に見事に応えた大谷(左)。久々の本塁打には、指揮官の明確なプランニングが寄与していた。(C)Getty Images

 ようやく待望の一発が飛び出した。

 現地時間8月11日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、本拠地で行なわれたトロント・ブルージェイズ戦に「1番・DH」で先発出場。第2打席で14試合ぶりとなる第38号同点2ラン本塁打を放った。
【動画】大谷翔平、完璧な打球音の38号ホームランがこれだ!

 今季最長の13試合連続ノーアーチとなっていた背番号17が、快音を響かせたのは、3回1死一塁の場面だ。「勝負しない理由がない」と話した相手右腕アレク・マノーアがカウント1-2から真ん中低めに投じた4球目のスライダーを巧みにすくい上げた打球は、センターフェンスを越える同点2ランとなった。

 球宴のホームランダービーに出場し、フォームを崩したとされる大谷。ここ最近は、打球が以前のように上がらず、打率も8月に入ってからは打率.129と低迷していた。

 偉才の不振を受け、指揮官も動いた。エンジェルスのジョー・マッドン監督は、8月10日のブルージェイズ戦から「2番・DH」が定位置だった大谷の打順を1番に繰り上げたのだ。結果的に約2か月ぶりの措置が功を奏した。その試合でいきなり17打席ぶりの安打(3塁打)を放つと、翌日には先述の一発が飛び出したのである。

 大胆な打順変更には、どのような意図があったのか。マッドン監督は11日の試合後の会見で、次のように説いている。

「ショウヘイに1番を打たせることで、相手ピッチャーにより多くの球を投げさせることができる。たとえ歩かせても、非常に良い走者を置くことになるから、相手は勝負を避けられなくなるんだ」
 
 6月末から7月中にとにかく打ちまくった大谷に対し、最近は相手バッテリーが勝負を避ける場面が目立っていた。そうした状況に一石を投じようとマッドンは、否応なしに勝負をせざるを得ないシチュエーションを生み出したのである。

 さらにマッドンは、「良い方向に進んでいると思う」と自身のプランニングへの手応えを口にする。

「今日はもう少しで2本のホームランを打つところだったし、四球も選んだ。内容は前よりも上向きだ。ショウヘイは簡単に心を乱したりしないし、確固たる意思を持っている。彼は周りで何が起こっているかよく分かっているから、オールスター以降、怪我人が増えている状況の難しさも理解している。

 それから、次に控えている打者が誰かという重要性も頭に入っている。そういう状況に文句を言うこともなく戦っていた。私は1番打者として彼がやってくれたことは気に入っている。もう少し続けるかもしれない」

 百戦錬磨の名将が見せた“閃き”によって、調子が上向いた感のある大谷。現地時間8月12日のブルージェイズ戦では、今季17度目の先発登板が予定されているが、上昇気流に乗ることはできるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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