プロ野球

【名門校の歴代ベストチーム作ってみた:近畿大】三塁は“ミスター・ロッテ”で決まり。外野は佐藤輝明を含め3人が阪神勢に<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.08.20

セ・リーグの話題をさらう佐藤を産んだ近畿大。彼だけでなく、同校の出身者には強打者が多い。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 高校、大学、社会人野球の名門を対象に、「出身校別歴代ベストチーム」を独自に選出。今回は関西学生野球リーグで47回の優勝を誇り、佐藤輝明(阪神)の出身校としても話題の近畿大学を取り上げる。野手9人でラインナップを組み、投手は5人を選出。関西が誇る名門大の歴代ベストチームは、一体どんなメンバーだろうか。

▼ラインナップ
1 (一)藤原満(元南海)
2 (二)藤田一也(楽天)
3 (中)糸井嘉男(阪神)
4 (三)有藤通世(元ロッテ)
5 (右)佐藤輝明(阪神)
6 (指)二岡智宏(元巨人ほか)
7 (左)林威助(元阪神)
8 (遊)小深田大翔(楽天)
9 (捕)藤井彰人(元楽天ほか)

▼投手陣
(先発)大隣憲司(元ソフトバンクほか)
(先発)酒井光次郎(元日本ハムほか)
(先発)畠世周(巨人)
(救援)森田幸一(元中日)
(救援)木村恵二(元ダイエーほか)
 
 近大の場合、何と言っても打線が魅力。4番サードを務める有藤は、1968年にドラフト1位で東京オリオンズ(現ロッテ)へ入団し、18年間で通算2057安打を積み重ねて近畿大出身者唯一の名球会入りを果たしている。史上4人しかいない通算250本塁打と250盗塁を両方達成した選手の一人でもあり、ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデン・グラブ賞)は4度、ベストナインは10度。現在は野球部OB会長も務めるなど、近大が生んだ最大のスター選手と言って差し支えないだろう。

 1番・一塁に置いた藤原も、本来は三塁手。有藤とは同期で、同じ69年のドラフトで南海入り。太くて重い"すりこぎバット"でヒット狙いの打撃に徹し、リーグ最多安打を2度獲得。ベストナイン1回、ダイヤモンドグラブも2度受賞するなど渋い好選手として鳴らした。

 外野陣もパワフルで、はからずも3人とも新旧のタイガース在籍選手が占めることになった。佐藤は言わずもがな、全盛期の糸井の確実性とパワーを兼ね備えた打撃は、今もってなおファンには印象深いだろう。走塁や守備での貢献も含めたオールラウンダーぶりは有藤といい勝負で、文句なしにこのチームの中核といえる。もっとも、近大時代の糸井は投手で、4年春にはMVP・最優秀投手・ベストナインの三冠に輝くなど大学球界屈指の実力を誇っていた。