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「まるで価値がない!」MLB254勝投手が発した大谷翔平への“差別的コメント”に非難増大「大きな過ちだった」

THE DIGEST編集部

2021.08.20

大谷(左)へのコメントで処分を下されたモリス氏(右)。その言動に対する非難の声は止む気配がない。(C)Getty Images

大谷(左)へのコメントで処分を下されたモリス氏(右)。その言動に対する非難の声は止む気配がない。(C)Getty Images

 米球界のレジェンドが放った発言が、いまだ物議を醸している。

 騒動の発端となったのは、現地時間8月17日に行なわれたデトロイト・タイガース戦だ。試合中継を担った米放送局『Bally Sports』の解説者、ジャック・モリス氏が発した大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)へのコメントだった。

 MLB通算254勝のレジェンドは、6回に大谷が打席に立った際に、実況アナウンサーから「オオタニに対してどう投げますか?」と問われ、アジア人特有のアクセントで「ベリー・ベリー・ケアフル(非常に慎重に)」と返答したのである。

 中継を見ていた視聴者から批判が殺到したため、モリス氏は試合途中に「私の発言で誰かを、とくにアジア人コミュニティーの方々を傷つけてしまったなら、真摯に謝ります」と30秒以上をかけて謝罪。さらに「私はオオタニを含めて誰かを不快にさせる意図はなかった」と釈明した。

 試合後も非難する声が多く寄せられたため、『Bally Sports』は「アナリストであるジャック・モリスが行なった発言にとても失望している」と無期限の活動休止処分を発表。「あのコメントの影響と多様なコミュニティーで、どのように前向きな影響を与えることができるかについて彼を教育するために、バイアストレーニングを受けてもらう」と復帰に向けて“再教育”を課す方針も明らかにした。
 
 大谷自身は18日の試合後に「個人的には全然気にしていません。影響力のある方だと思うので、難しいところかなと思います」と冷静に対応した。一方で米メディアにあっては、モリスに対する風当たりは依然として強いままだ。

 米ニュースサイト『The Blast』は、「いまの時代は誰もが常に見ていることを忘れるべきではないし、愚かなことを言うなどもってのほかだ。元投手のジャック・モリスが、ショウヘイ・オオタニに放ったひどい“ジョーク”は、彼自身の首を絞めることになった」と苦言を呈し、「あの手のコメントはまるで価値がないものだ」と断じた。

「彼を弁護するような意見はほとんど聞かれなかった。これが世間の声を明確に示しているだろう。ステレオタイプなアジアコミュニティーを軽んじた表現であり、モリスの言動は大きな過ちだった」

 現役時代と変わらぬ歯に衣着せぬ物言いで、人気を博していたモリス。しかしながら今回の“解説”は、あまりに軽率だったと言わざるを得ない。

構成●THE DIGEST編集部

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