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MLB

「ホームランを打つのは難しいね」ミゲル・カブレラが史上28人目の500号本塁打達成で漏らした“本音”

THE DIGEST編集部

2021.08.23

史上28人目の500号を達成したミギー。待ち望んだ偉業に喜びつつも、どこか悔しさもにじませた理由とは?(C)Getty Images

史上28人目の500号を達成したミギー。待ち望んだ偉業に喜びつつも、どこか悔しさもにじませた理由とは?(C)Getty Images

 ついに、その時がやって来た。

 デトロイト・タイガースのミゲル・カブレラは現地時間8月22日、敵地で行なわれたトロント・ブルージェイズ戦に「4番・DH」で先発出場すると、0対1で迎えた6回に今季13号アーチを放った。この一発で通算500号の大台に到達。メジャー史上28人目、ベネズエラ人初の偉業を達成したのだった。

“ミギー”の愛称で知られるカブレラは現在38歳。大ベテランの域に入っている。2003年、20歳にしてフロリダ(現マイアミ)・マーリンズでメジャーデビューすると、若くから天才的な打撃の才能を発揮。ポストシーズンではロジャー・クレメンスら好投手を次々と打ち砕き、ワールドシリーズ制覇をもたらした。その後も好成績を残し続け、マーリンズのお家芸であるファイヤーセールで07年オフタイガースへ移籍すると、その実力はさらに成長を遂げる。

 打者不利な球場コメリカ・パークを本拠にしながら、37本塁打で自身初の打撃タイトルを獲得。09年からは3年連続で打率3割・30本100打点をクリアすると、圧巻だったのは12年。打率.330、44本塁打、139打点でメジャー47年ぶりとなる三冠王を手にし、初のMVPにも輝いたのだ。翌13年も二冠でMVPを連続受賞すると、14年開幕前に8年2億4800万ドルの延長契約を結んだ。
 
 しかし、稀代の天才打者も加齢とともに成績が悪化。ここ数年は故障も多く、全盛期の姿を感じさせることはなかった。それでも、500号まであと13本に入って迎えた今シーズンは開幕戦で一発を放ち、8月11日にリーチをかけた。そこからホーム6連戦。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)との対戦もあり、本拠地には大記録達成見たさに、普段は閑散としているコメリカ・パークにも多くのファンが詰めかけていた。

 しかし、この6試合で待望の一発は打てなかった。ミギーがその理由をこう明かしている。「デトロイトで500号を打ちたかったね。本当に多くのことが頭によぎっていたんだ」と、“雑念”が自慢のバット技術をにぶらせてしまったことを認めている。そしてこう続けたのだった。「いやぁ、本当にホームランを打つのは難しいね」。

 500本という数字を積み重ねてきた球史に残る大打者。全盛期はいとも容易く打っていた一発、今ではその一本一本の重みを感じさせる。しかし、この日にカナダでかけた500個目の放物線は、ミギーらしい逆方向への技術とパワーが結集した華麗なものでもあった。

 通算打率.311、500本塁打、1785打点、OPS.922。MVP2回、オールスター11回、シルバースラッガー賞7回、首位打者4回、本塁打王2回、打点王2回。積み上げてきた実績は数えきれないものがある。あと45本まで迫っている、史上33人目の通算3000安打は今季中の達成はかなり厳しいだろう。しかし、来年こそは満員のタイガースファンの前で金字塔を打ち立てる楽しみがあると考えれば、その期待感はさらに増すはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】ミギーが“全盛期”ばりの打撃で500号! 敵地ファンも総立ちで偉業讃える
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