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MLB

全打席の実に50%以上が「本塁打・三振・四球」。大谷翔平はアダム・ダンだった!?<SLUGGER>

斎藤庸裕

2021.08.25

ダン(右)は04年から5年連続40本塁打以上を記録した。大谷(左)の今季の「アダム・ダン率」は本家の通算を超える。(C)Getty Images

ダン(右)は04年から5年連続40本塁打以上を記録した。大谷(左)の今季の「アダム・ダン率」は本家の通算を超える。(C)Getty Images

 大谷翔平(エンジェルス)が打者として出場する試合を見ていると、あることに気付く。インプレーの打球が極端に少ないのだ。

 両リーグトップの40本塁打を放っている一方で、三振も多い(8月23日終了時点でリーグワースト3位の149三振)。また、最近は警戒されて四球で歩かされるシーンも増えてきた。

 たとえば、ここ3試合の打席結果を振り返るとこうなる。
21日 三振 三振 三振 二ゴロ
22日 安打 四球 三振 四球  
24日 三振 左飛 三振 敬遠 四球 安打

 計14回打席に立ち、三振と四球が計10個。打席内で完結することが大半で、打球が前に飛んで相手守備陣が介在したケースはたった3回しかない。

「Three True Outcomes」という指標がある。全打席における本塁打・四球・三振の割合を示すものだ。「True Outcomes」は「純然たる打席結果」というような意味で、相手の守備がまったく関与しないことからそう呼ばれる。
 
 この「Three True Outcomes」、日本のネット界隈では「アダム・ダン率」という呼び名で定着している。ダンは2001年~14年に通算462本塁打を放った大砲だが、低打率で三振も非常に多く、12年には打率.202、41本塁打、歴代ワースト2位の222三振というとんでもない成績を残したこともあった。この異様な極端ぶりが一部の好事家に愛され、今もたびたび話題に上る。

「ホームランか三振か」の究極型と言ってもいいダンだが、同時に四球も数多く選んでいることから「Three True Outcomes」の割合も高かった。その意味で「アダム・ダン率」という呼称は的を射ている。

 実は、大谷はMLBで最も「アダム・ダン率」が高い打者の一人だ。8月23日終了時点の「アダム・ダン率」トップ5は以下の通りだ。

1 J・ギャロ(ヤンキース) 59.4%
2 大谷翔平(エンジェルス) 51.3%
3 F・タティースJr.(パドレス) 48.2%
4 M・チャップマン(アスレティックス)    48.0%
5 B・ラウ(レイズ)    46.6%
 

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