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MLB

トレード・デッドラインから約1ヵ月。新天地に移った大物選手たちの明暗<SLUGGER>

宇根夏樹

2021.08.23

サイ・ヤング賞3度のシャーザー(左)はさすがの活躍。一方、“魔術師”の異名を取るバイエズ(右)は不振と故障で期待に応えられていない。(C)Getty Images

サイ・ヤング賞3度のシャーザー(左)はさすがの活躍。一方、“魔術師”の異名を取るバイエズ(右)は不振と故障で期待に応えられていない。(C)Getty Images

 7月30日のトレード・デッドラインから、もうすぐ1か月が経とうとしている。今年は数多くの有力選手が新天地へ移り、「史上最大のデッドライン」と呼ぶ声もあるが、移籍先で期待通りの働きを見せている選手がいれば、そうではない選手もいる。

 前者の筆頭は、ドジャースが同地区のライバルであるパドレスとの争奪戦を制してナショナルズから獲得したマックス・シャーザーだろう。トレードの数日前に37歳の誕生日を迎えたが、サイ・ヤング賞3度の大エースに衰えの気配はない。移籍前の19登板は防御率2.76、移籍後の4登板は防御率2.11だ。新天地では4試合とも2失点以下に抑え、チームに白星をもたらした。サンプル数はまだ少ないが、奪三振率13.08と与四球率1.69も移籍前を凌ぐ。

 カブスで2人の名前をつなげて「ブリゾー」と呼ばれていた強打のコンビ、クリス・ブライアント(ジャイアンツ)とアンソニー・リゾー(ヤンキース)は、ともに新天地での1試合目に本塁打を放った。
 
 特に印象的な活躍が目につくのはブライアントだ。8月5日は10回表にこの試合2本目の二塁打を放ち、決勝点を挙げた。7日は11回表にタイムリー二塁打、10日は9回裏にサヨナラ打。16日は逆転弾を含む2本塁打だ。三塁と外野3ポジションで先発出場しているのに加え、試合途中にポジションを移動し、監督の采配にフレキシビリティも与えている。

 リゾーはカブスで何年も続けてきたコンスタントな働きをヤンキースでも発揮中だ。1試合目だけでなく2試合目も本塁打を打ち、6試合続けて打点を挙げた。新型コロナ感染による離脱を挟み、ここまでの12試合中8試合で打点を記録している。昨年の本塁打王ながら同じ一塁手のルーク・ボイトにも刺激を与えるなど、相乗効果も生んでいる。

 カブスで「ブリゾー」とチームメイトだったハビア・バイエズ(メッツ)も、移籍後の1試合目に本塁打を放った。だが、その後は2人とは対照的。移籍前も出塁率は.292と高くなかったものの、移籍後は10試合で.216。おまけに腰を痛め、8月13日に故障者リスト入りしてしまった。バイエズだけのせいではないが、メッツは8月に入ってから負けが込み、地区首位から滑り落ちた。
 
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