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「まるでカフカのようだ」米紙が大谷翔平を“文学界の巨人”になぞらえて表現「類似する人物は野球から離れたところにいる」

THE DIGEST編集部

2021.08.29

投打で圧巻のパフォーマンスを続ける大谷。米紙が指摘したカフカとの共通点とは?(C)Getty Images

 日本の偉才と比較できる対象は、すでに野球界にはいないのかもしれない。

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 米サンディエゴの地元紙『San Diego Union-Tribune』は8月28日、「ショウヘイ・オオタニが、いかにフランツ・カフカ、ポール・ロブスン、ヘディ・ラマーのような存在であるか」と題したコラムを掲載。記者のクリス・リード氏が、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)を競技外のさまざまな人物になぞらえて表現している。

 今シーズンでメジャー4年目の大谷は、開幕から球界にフィーバーを起こし続けてきた。打っては打率.269、41本塁打、89打点、OPS.993、20盗塁といずれもハイアベレージをマーク。投げても自己最多を更新する8勝(1敗)を挙げ、防御率3.00と抜群の安定感だ。
 
 この活躍を受けてリード氏は、記事内で「オオタニは常にベーブ・ルースと比較されてきた」と綴ると、「しかし、ルースは最高の打者であると同時に最高の投手だった、と言えるようなシーズンは一度もなかった。また、開幕時に20か国256人の外国人選手がいる現在のMLBとは異なり、白人だけのスポーツでプレーしていたのだ」と指摘した。

 さらに「オオタニと類似する人物は野球から離れたところにあり、すべての人に教訓を与えるものだ」と言及し、「複数のスキルセットを持つ『ポリマス』と呼ばれる人々が、前例のないことを成し遂げられる」という、ノースウェスタン大の教授を務めるブライアン・ウッツィ氏の研究内容を紹介している。

 その中で、特に同記者が新たな比較対象として主張するのは、20世紀の文学を代表する小説家のフランツ・カフカ。「疎外感、罪悪感、実存的不安といった『カフカ的』テーマを奇抜なプロットで展開し、保険会社でも働いていた」といい、工事現場で使用される安全ヘルメットを発明するなど、大谷と同じく"二刀流"として活躍していたようだ。

 投打にわたって球史に残るパフォーマンスを続ける大谷。残り1か月ほどの今シーズンで今後、はたしてどのような躍動を見せてくれるのか。その一挙手一投足から目が離せない。

構成●THE DIGEST編集部

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