チャンスを掴んだサムライが快進撃を続けている。

　現地時間８月29日、ピッツバーグ・パイレーツの筒香嘉智は、本拠地で行なわれたセントルイス・カーディナルス戦に「６番・ライト」で先発出場。９回に劇的なサヨナラ３ラン本塁打を叩き込んだ。
【動画】打った瞬間に確信！ 筒香嘉智が放った場外サヨナラアーチはこちら！

　４回１死満塁の第２打席に犠牲フライを放っていた筒香の打棒がふたたび輝いたのは、土壇場の最終回だった。

　１対３と２点を追う９回１死一二塁。この好機で相手右腕アレックス・レイエスと対峙した背番号32は、初球、甘く入った89マイル（約143キロ）のスライダーを完璧に捉える。フルスイングで弾き出して打球は、なんとライトスタンド場外へ消える特大アーチとなった。

　今月16日にパイレーツ入りをはたしてからの筒香は文字通り絶好調だ。加入後13試合（27打数）で打率.333、５本塁打、11打点、OPS1.424という驚異的なスタッツを記録。打率１割台前半に甘んじたタンパベイ・レイズ、ロサンゼルス・ドジャースとは大きな変貌ぶりを見せている。

　チームに勢いをもたらす出色のパフォーマンスには、仲間も賛辞を惜しまない。この日、パイレーツの先発投手を務めたウィル・クロウは、地元紙『Post Gazette』の取材で、「ヨシは素晴らしいよ。言うまでもないだろ？」と語った。

「俺たちはロッカーも近いから仲良くなったよ。決して英語が堪能というわけではないけど、彼は本当に良いチームメイトだ。だから、幸先よくスタートしてくれて嬉しいね。ヨシは今一番ホットだ。そういう絶好調の選手を目にするのは素晴らしいことだと思う。彼が打線のなかにいるのは楽しみで仕方がないよ」
  　また、クロウは今回の筒香のサヨナラ弾を「予想できていた」とも話した。

「あの場面を迎えるときに、チャド（・クール）が僕に言ったんだ。『ここでヨシの特大弾はどう？』ってね。それで僕は『いいね。それ最高だ』という感じで打つと思っていたんだ。そしたら案の定、ヨシは打った。タッグアウトからも放送席が絶叫していたのが、聞こえたよ」

　チームメイトの期待に応えた筒香は、今後も快進撃を継続できるのか。周囲を驚かせる打撃に注目だ。

構成●THE DIGEST編集部