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MLB

防御率はMLBワーストの「6.55」。粘着物質規制強化後に訪れたダルビッシュ有の“異変”

THE DIGEST編集部

2021.09.14

爆発炎上したダルビッシュ。ルール規制が強化された後は不振が続いている。(C)Getty Images

爆発炎上したダルビッシュ。ルール規制が強化された後は不振が続いている。(C)Getty Images

 エースの姿は完全に消え失せていた。

 サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有は現地9月13日、敵地でのサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に先発するも、4回8失点4被弾と炎上してチームも敗戦。ワイルドカード争いでも、シンシナティ・レッズに抜かれて圏外へ落ちてしまった。

 ダルビッシュは初回先頭打者にホームランを浴びると、さらに走者を貯めて3ランを喫していきなり5失点。さらに2本の本塁打を食らい、計8失点は今季ワースト。敗戦数も4年ぶりに2ケタに乗ってしまった。

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 前回登板のロサンゼルス・エンジェルス戦では6回1失点で自身の連敗を8で止め、本格復調が期待されていたが、一転して最悪の結果。本人も「自分自身ですごくフラストレーションは持っているし、球団にいる人はみな持っていると思う。それでも明日来てやらないといけない。切り替えていくしかない」と、苛立ちを見せながらも前を向いたが、現実はなかなかに苦しいものがある。
 
 MLBは6月21日から粘着物質不正使用の取り締まりを強化した。投球の際に滑り止めとして松ヤニなどを使用することは暗黙の了解として認められていたが、近年はボールの回転数などを故意に上げている投手が後を絶たず、機構が規制強化に乗り出したのだ。現在はイニング間に審判による“身体検査”も行われるようになった。結果、MLB平均の回転数や三振率は下降。機構の目論見通りの結果となっている。

 ダルビッシュの場合、同じジャイアンツと対戦した4月30日(6.1回1失点12奪三振)では、カッターの回転数が2760回転/分、スライダーが2788回転/分、4シームが2589回転/分だった。5月17日のロッキーズ戦(7回無失点10奪三振)ではそれぞれ2844回転/分、2845回転/分、2596回転/分だったが、今日の登板ではカッターが2795回転/分、スライダーが2773回転/分、4シームが2488回転/分と下降している。

 もっとも、ダルビッシュは「松ヤニを使ったことはないです」と断言。確かに、ボールの回転数が規制強化後に下がったとは言っても、7月に股関節を痛めた影響でメカニクスに狂いが生じたことによる“誤差”と見ることもできる。

 しかし防御率を見ると、規制強化前は2.57だったのに対し、強化後の6月21日以降ではMLBワーストの6.55、被本塁打率2.45はワースト2位というのは看過できる状況でないのも確か。ましてや、大型トレードでエースとして迎えられた実力者がこの数字は期待外れと言われてもやむを得ないだろう。

 残り数登板で光明を見出し、チームをプレーオフへと導けるのか。ダルビッシュの投球がチーム全体の命運をも左右することになりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部 

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