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「必ずしも不安材料ではない」大谷翔平の“勝ちたい発言“に現地記者が見解!「約束が意思決定の原動力になる」

THE DIGEST編集部

2021.09.28

2023年にFAとなる大谷。まだチームと契約延長の交渉は始まっていないという。(C)Getty Images

 現地時間9月26日に行なわれたシアトル・マリナーズ戦で、今季10勝目を逃した大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は試合後のインタビューで、「ファンの人も好きですし、球団自体の雰囲気も好きであるので。ただ、それ以上に勝ちたいという気持ちが強いですし、プレーヤーとしてはそれの方が正しいんじゃないかなと思っています」とはっきりと本心を伝えた。

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 今季23度目の先発登板を飾ったこの日、大谷の投球は完璧に近い内容だった。7回に同点弾を浴びたが、7回112球を投じて10奪三振をマーク。しかしながら、味方打線の援護に恵まれず、エンジェルスは1-5で敗退し、大谷は好投にもかかわらず、勝利投手を逃した。この日は「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」達成の可能性があっただけにその落胆はより大きかったのかもしれない。

 最終週を迎えた大谷は、打者として45本塁打、98打点を記録し、マウンドでは防御率3.18、156奪三振を達成している。大谷はメジャーリーグで最高の投手であると同時に最高の打者でもあり、今秋には自身初のアメリカン・リーグ MVP受賞が期待されている。
 
 しかし、大谷が所属するエンジェルスは、このホーム最終戦のマリナーズ戦で6年連続の負け越しが決定。今季82敗目を喫した。怪我で離脱しているマイク・トラウトとアンソニー・レンドーンがいれば、少しはチームの状況も違っていたかもしれない。しかしこのようにチームの不調が続くと、大谷がやりきれない気持ちになるのも当然だろう。

 エンジェルスは大谷が所属した4シーズンを含めて7年連続でプレーオフに出場できていないため、ファンはポストシーズンで大谷の才能を楽しむことができない。

 大谷は、まだエンジェルスとの契約延長の話し合いを行なっていないという。現行で23年シーズンまでの契約を締結している大谷は、22年のオフにエンジェルスとの大型契約の締結が注目されている。エンジェルスがこの低迷状況から脱却できなければ、2023年以降のフリーエージェントは現実味を帯びてくる。

 米放送局『CBS Sports』のデイン・ペリー記者は「延長交渉がまだ行なわれていないことは、必ずしも不安材料ではない。ここで重要なのは、大谷がいつものように前向きな発言をした後、勝利、あるいは少なくともその約束が彼の意思決定の原動力になると強調していることだ」と語った。

 2022年のエンジェルスは正念場だと言える。ここで首脳陣が万年低迷チームから抜け出す策を講じなければ、大谷からもファンからもそっぽを向かれてしまうことは間違いない。

構成●THE DIGEST編集部

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