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MLB

「エンジェルスは負け越したけれど」大谷翔平の存在に地元番記者は心から“感謝”!「信じられないシーズンの生き証人として」

THE DIGEST編集部

2021.10.04

弱小エンジェルスにあって大谷がもたらした“幸福”とは? 番記者の思いを見てみよう。(C)Getty Images

弱小エンジェルスにあって大谷がもたらした“幸福”とは? 番記者の思いを見てみよう。(C)Getty Images

 球史に燦然と輝く圧倒的なパフォーマンスを見せた大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)。シーズン最終戦も、「さすがスター!」と呼ぶべき有終の美を飾った。

 敵地で行われたシアトル・マリナーズ戦に「1番・DH」で出場した大谷は、この日ほぼ全カードが同時刻に開催となったレギュラーシーズン最後の試合で、激闘の始まりを告げるように豪快な先頭打者ホームランを叩き込んだ。これで今季46号とし、わずかならがも本塁打王に望みをつないでみせた。

【動画】地元放送局が作成した、大谷翔平の今季ハイライトを堪能しよう!

 しかし、以降の打席では快音が聞かれず、最終的に本塁打王のタイトルはブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)とサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)に2本差で敗れる形となった。もっとも、1シーズンに誰かは獲得できるタイトルよりも、今シーズンに大谷が見せた活躍はより“価値”のあるものだったはずだ。
 
 それは、開幕前からエンジェルスの一挙手一投足を追ってきた番記者のコメントからもひしひしと感じられるものだった。MLB.comのエンジェルス担当であるレット・ボリンガー記者はシーズン最終戦を終えると、大谷への“感謝”を述べた。

 ボリンガー記者は「今シーズン、エンジェルを追っていきながら私をフォローしてくれたみなさんへお礼を言わせてください」と、読者への思いを告げると、こう続けたのだった。

「エンジェルスは負け越すことになりました(77勝85敗、地区4位)。けれども、ショウヘイ・オオタニの信じがたいシーズンを、その歴史の証人としてお伝えすることができたのは本当に楽しかったです」

 この言葉には、すべてが詰まっているだろう。大谷が投打二刀流で見せてきたものは、現地識者も「信じがたい」と形容するしかないこと。そして、その歴史に立ち会えることがいかに幸福なことなのかを、表現してくれたのである。

 番記者という仕事は、試合があってもなくても担当チームについての記事を作成しなければならない。強いチームであればネタもたくさん出てくるが、弱いチームに関してはどうしても“暗い”話や、無理やりポジティブな内容に仕上げることも出てくる。

 しかし、大きく負け越したエンジェルスにあって、常に明るい話題を振りまき、球界の中心であり続けた大谷翔平という天才がいたことは、メジャーにとって、ファンにとって、そして近くでチームを伝える人間にとっても、何よりも代えがたいものだったのだ。

 チーム状況を考えると、来季のエンジェルスの見通しは決して明るいものではない。それでも、さまざまな意味で「大谷ならなんとかしてくれる」――そうした期待を抱かせるには、十分すぎるシーズンだったことは、もはや言わずもがなであろう。

構成●THE DIGEST編集部

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