専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

大谷翔平が“9年越しに”拓いたパイオニアとしての扉。日本で、アメリカで二刀流を目指す選手を作り出す契機に

THE DIGEST編集部

2021.10.22

二刀流でフルシーズン完走したという史上初の偉業を成し遂げた大谷。その価値は、成績という次元を超えた場所にあった。(C)Getty Images

二刀流でフルシーズン完走したという史上初の偉業を成し遂げた大谷。その価値は、成績という次元を超えた場所にあった。(C)Getty Images

「二刀流の扉が開かれたんだよ。未来への扉が開いたことは嬉しいし、毎日ショウヘイがもたらしている興奮を見てみろよ。これ以上、望むものはないよね」

 今年のオールスターにて大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の“活躍”について訊かれた2019年ナ・リーグMVPのフレディ・フリーマン(アトランタ・ブレーブス)は、興奮しながらこう答えた。

「扉が開かれた」――まさにこの言葉は、大谷が高校生の時から目指していた一つの目標だった。

 今シーズン、大谷がメジャーで残してきたパフォーマンスについて事細かに言及する必要はあるまい。史上唯一無二の二刀流プレーヤーは、「投打それぞれ、別々の人がオールスターに出ている感じ」(2019年ナ・リーグ新人王のピート・アロンゾ/ニューヨーク・メッツ)との言葉通り、開幕から二刀流として圧巻・衝撃のプレーを見せ続けた。

 開幕2戦目に「2番・投手」で先発して初回に特大ホームランを叩き込むと、4月26日のテキサス・レンジャーズ戦ではベーブ・ルース以来となるホームラントップの選手が先発登板する快挙を達成。以降もオールスターで史上初めて投打両部門で選出、史上初の100安打・100投球回・100奪三振、ア・リーグ史上初となる45本塁打・100得点・25盗塁など、挙げればきりがないほどの記録を打ち立てた。

【PHOTO】世界が驚嘆する偉才・大谷翔平のキャリアを厳選ショットで一挙公開!花巻東、日ハム、エンジェルスでの活躍を振り返る
 本塁打王こそ逃したものの、アウォード投票で重視される勝利貢献度WARはメジャートップ。11月に発表される今季のMVPには、日本人ではイチロー以来2人目の栄誉を預かる可能性が高い。フィールドで残した数字、球史に刻まれた記録はもちろん今季の大谷を語る上で欠かせない要素だ。しかし同時に、彼は二刀流の「可能性」を周囲に知らしめたのだ。

 その可能性に魅入られた一人が、ボストン・レッドソックスの強肩外野手アレックス・バーデューゴだ。現地時間10月8日、バーデューゴは「来年中に投げられるかは分からないが、2023年には間違いなく二刀流に挑む。オオタニのような先発ではなく、リリーフ投手として助けになりたい」として、二刀流への挑戦を表明したことが大きな話題を呼んだ。

 さらに、日本でも10月11日のドラフト会議で阪神がドラフト1位で指名した森木大智も「野球を全力でやりたいので。ピッチャーだけじゃなくて、高校野球のようにというか。野球選手としてトップのレベルに行きたいです」と語り、こちらも二刀流を視野に入れながらのプロ挑戦を口にした。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号