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MLB

世界一はアストロズ、ブレーブスどちらの手に? 明日開幕!ワールドシリーズ5つの“見どころ”<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.10.26

いよいよ最後の戦い・ワールドシリーズが開幕! 悲願の頂点に立つのはアストロズ、ブレーブスどちらになるか。(C)Getty Images

いよいよ最後の戦い・ワールドシリーズが開幕! 悲願の頂点に立つのはアストロズ、ブレーブスどちらになるか。(C)Getty Images

 メジャーリーグは明日、世界一を懸けたワールドシリーズが行なわれる。過去5年間で3度目のリーグ制覇を果たしたヒューストン・アストロズ、1999年以来のシリーズ進出となったアトランタ・ブレーブスとの対戦。果たして、頂上決戦を制するのはどちらとなるのか。見どころを整理しておこう。

●汚名返上を誓うアストロズの主力打者たち
「僕は2017年のチームにはいなかったけどブーイングを浴びている。でも僕らは、そうした声を力に変えて、自分たちがいかに素晴らしいチームなのかを証明しないといけないんだ」――ア・リーグ優勝決定シリーズでMVPに輝いたヨーダン・アルバレスが語るように、今年のアストロズには並々ならぬ決意を持って頂上決戦に臨む。

 ブーイングを浴びる理由はもちろん、サイン盗み問題だ。創設以来初のワールドチャンピオンに輝いた17年、アストロズは組織ぐるみでサイン盗みを働いていた。自業自得と言えばそれまでだが、当時のチームに在籍していたホゼ・アルトゥーベ、カルロス・コレア、アレックス・ブレグマンらへの風当たりは相当に強い。

 ホームランを打っても、その動画には「Cheater(ズルをした人)」とのコメントが大量につけられ、遠征先ではブーイングの嵐。今年のオールスターに選出されたコレアとアルトゥーベは故障や家族の健康を理由に辞退したが、本当は晒し者になることを恐れたとも言われている。

 しかし、プレーを見れば一目瞭然だが、本来彼らは不正に頼らなくても球界屈指の実力を持つ一流選手(そもそも、守備や走塁のクオリティが以前から抜群だった)。今回のワールドシリーズは、そのことを改めて証明する絶好の機会。特に、このオフFAとなるコレアは自身の市場価値を上げるためにも相当気合が入っているはずだ。
 
●絶好調アルバレスを止められるか
 知名度ではアルトゥーベやコレアに劣っていても、今のアストロズ打線で最も怖い打者がアルバレスであることは間違いない。24歳のキューバ出身のスラッガーは、ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)第5、6戦に9打数7安打4打点の固め打ち、シリーズ通算打率.522は歴代最高(25打席以上)と歴史に名を残す大爆発でチームをワールドシリーズまで導いた。

 第5戦でレッドソックスのクリス・セールの外角速球を逆らわずにグリーンモンスター超えの一発を放ったかと思えば、高めや内角の球も完璧に捉えるなど、完全に"ゾーン"に入った印象がある。

 積極性も持ち味で、ALCSで放った12安打のうち、実に5本が初球。ブレーブス投手陣はくれぐれも初球の入り方に注意する必要がある。選球眼も優れているため、抑えるのは容易ではないが、レギュラーシーズンで放った33本塁打のうち高めからは4本だけ、打率も2割台前半とやや苦手にしているコースなのは確かだ。ブレーブスにとっては、このアルバレスを食い止められるかどうかが世界一へのカギとなることは間違いない。

【動画】あの豪腕セールも止められない! アストロズ主砲・アルバレスの“グリーンモンスター超え”HR

●ブレーブスのキーマンは“途中加入”の男
 アストロズの要注意打者がアルバレスなら、ブレーブスは当然エディ・ロザリオだ。ドジャースとのリーグ優勝決定シリーズでは、歴代最多タイの14安打を放ち、打率.560、OPS1.710の大活躍。しかも、第2戦でサヨナラ打、第6戦でも3ラン本塁打を放つなど、ここ一番での「クラッチ」ぶりもすさまじい。7月末にインディアンスからトレードで移籍し、シーズン成績は打率.259、14本塁打と平凡な数字だったが、今のロザリオはまったくの別人と考えた方がいいだろう。

 攻略法の糸口があるとすればスライダーか。今ポストシーズン、ロザリオの対スライダーの空振り/スウィング率は50%を超えている。アストロズでは先発のルイス・ガルシア、抑えのライアン・プレスリーらが優れたスライダーの使い手で、どんな配球を見せてくるか注目だ。また、スライダー以外でも、外角の変化球で揺さぶりをかけるのが有効なようで、ワールドシリーズでは変化球攻めに遭う可能性が高そうだ。
 
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