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プロ野球

「2021年ヤクルト」と「2015年ヤクルト」の“違い”。データやチーム状況で見る4つのポイント<SLUGGER>

勝田聡

2021.10.28

6年ぶりのリーグ優勝を果たしたヤクルト。前回のチームから“成長”した4つのポイントとは? 写真:滝川敏之

6年ぶりのリーグ優勝を果たしたヤクルト。前回のチームから“成長”した4つのポイントとは? 写真:滝川敏之

 ヤクルトが2015年以来、6年ぶりのリーグ優勝を飾った。ここ2回の優勝は、ともに強力打線とブルペンをはじめとした安定した投手陣が軸となっており、チーム状況は似ている面もある。しかし、当たり前だが時が経てばチームの顔ぶれは大きく変わる。果たして、今回の優勝と2015年での“違い”は何だったのかを探ってみたい。 

【リードオフマン・塩見泰隆の存在】 
 今年の強力打線の源泉でもある「2番・青木宣親」、「3番・山田哲人」、「4番・村上宗隆」は、2015年の川端慎吾、山田哲人、畠山和洋の並びに通じる。その中で15年は、彼らの前を務める1番打者に苦労した。2番・川端からの並びが定着したシーズン後半戦では、比屋根渉が主に起用されたものの、年間を通じて打率.230、3本塁打、出塁率.300、 OPS.601、6盗塁と結果を残せなかった。 

 しかし今年は5月中旬から塩見泰隆が定着。打率.281、14本塁打、出塁率.357、OPS.802、21盗塁と見事にブレイクを見せて、上位打線がかなり手厚くなった。リーグワースト2位の154三振と粗さはまだあるものの、完全に独り立ちしたことは見逃せない。 

【動画】感動をもう一度! ヤクルトがリーグ優勝を決めた瞬間をプレーバック
 
【「4番・村上」をプロテクトしたオスナ&サンタナ】 
 チームの足りない部分を補う外国人野手が今年は確実な上積みとなった。オスナとサンタナは新型コロナの影響で合流が遅れ、キャンプ不参加にもかかわらず、大きな故障なくシーズンを完走。序盤はオスナが、シーズン終盤はサンタナが5番を任され、「4番・村上」をプロテクトした。 

 リーグ最多39本塁打、2位のOPS.990をマークしている村上は、普通であれば勝負が避けられてしまう。特に彼の後ろを打つ打者が弱いと、そうした状況が生まれかねない。しかし、好不調の波はあったとはいえ、新外国人の2人が勝負強さを発揮し、村上が勝負できるシチュエーション、そして村上を還す役割を果たした。 

 2人合計で32本塁打(サンタナ19/オスナ13)、122打点(サンタナ62、オスナ60)の成績は1年目、さらには来日遅れを考えると文句なし。前回の優勝時はバレンティン、ミレッジ、デニングと3人の外国人野手が所属していたが、故障などもあって3人で6本塁打、37打点と機能しなかったことを考えると、彼らの働きもまた素晴らしかった。
 
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