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プロ野球

北の大地に「SHINJO」が帰ってくる!現役時代に日本ハムで残した数々の伝説をプレイバック<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.10.29

北海道移転後最初のスターとなった新庄が日本ハムへ帰還。V奪回へ向けてのカンフル剤となれるか。写真:徳原隆元

北海道移転後最初のスターとなった新庄が日本ハムへ帰還。V奪回へ向けてのカンフル剤となれるか。写真:徳原隆元

 日本ハムが10年間監督を務めた栗山英樹の後任として白羽の矢を立てたのは、かつて「SHINJO」の登録名で北海道を沸かせた新庄剛志だった。16年ぶりのチーム復帰となる球界最大の“トリックスター”が、北の大地で残した伝説を5つ紹介しよう。

▼映画イベントでフライング入団発表
 メッツでプレーしていた新庄が、2004年からの日本復帰を最初に発表したのは、新聞報道や会見の席上ではなかった。前年の11月、帰国していた新庄は日本武道館で行なわれたアクション映画の特別試写会にゲストとして参加。格闘家のボブ・サップらと派手な銃撃アクションを演じた直後のトークショーでのことだった。

「次は北海道に住みます。背番号は1です」

 何と、日本ハム入団とともに背番号まで“フライング発表”。しかもこの時点では、1番は別の選手が着けていた。あまりにもフリーダムな“新庄劇場”は、入団する前からすでに始まっていたのだ。
 
▼予告ホームランと本盗で球宴ジャック!
 復帰1年目から外野手両リーグ最多の約72万票を集め、オールスターに出場した新庄。前日に「MVPは僕のものです!」と宣言して迎えた第1戦、初回に1番で打席に立つと、いきなりスタンドを指差して「ホームラン予告」をかました。パ・リーグベンチも実況席も大爆笑の中、どれだけ大きな一発が飛び出すのかと思いきや……敢行したのは初球セーフティバント。アウトになったが観客席は総立ちだった。

 しかし、これだけでは終わらないのが新庄の新庄たるゆえん。続く第2打席は二塁打で出塁すると、三塁に進んだ後にベースコーチャーの松中信彦(ダイエー)と何やらたくらみ顔でヒソヒソ。そして、打席に立つチームメイトの小笠原道大に初球が投じられた直後、キャッチャーが返球する隙を狙って猛然とスタートを切った新庄は、タッチより一瞬早くヘッドスライディングでホームイン。球宴史上初の単独ホームスチールを決め、セ・リーグベンチからも大喝采。宣言通りMVPを獲得し、お立ち台で「これからはパ・リーグです!」と絶叫した。

▼SHINJOといえば“被り物”
 試合前のシートノックに、しばしばか被り物姿で登場するのも定番だった。04年6月には、成績の芳しくないチームの雰囲気を「変える」ため、カエルの被り物で登場。翌月にはスパイダーマンのマスクで登場したかと思えば、9月には森本稀哲ら4人のチームメイトとともに、ゴレンジャーに扮した。

 さらに、翌年には少しずつ小さくなっていく新庄の顔を次々飲み込んでいくという、怪奇映画さながらのマスクを自費で用意したり(一説には制作に350万円もかかったとか)、森本らチームメイト4人に自分の顔をかたどったマスクを被せ、さらに背番号1、背ネームも「SHINJO」のユニフォームを着せて“分身”したりと、豊富なアイデアでファンを楽しませた。なお、本人は「結果が伴ってこそのお遊び」と語っており、スパイダーマンの時は5試合連続マルチ安打、ゴレンジャーの時は3試合連続本塁打を放つなど、きちんとバットでも貢献していた。
 

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