アメリカで数多の偉業を成し遂げた男が、文字通り歴史的だった1年を振り返った。11月15日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が、都内の日本記者クラブで会見を行なった。
投打で「史上最高」の冠を欲しいままにした。打っては打率こそ.257ながら、MLB3位の46本塁打に加え、自身初の100打点もマーク。さらにMLBトップの三塁打(8本)、OPS.965(リーグ2位)、26盗塁と軒並みハイアベレージを叩き出す。9勝(2敗)を挙げたピッチングでは、防御率3.18、156奪三振とおよそ打者兼任とは思えない数字を残した。
あの"野球の神様"ベーブ・ルースですら成しえなかった「クインタプル」(投打5部門での100超え)も達成。「この地球上で最高の選手だ」(元ニューヨーク・ヤンキース投手、C.C.サバシア)というような称賛の声も絶えなかった。そんな異次元の快進撃を本人はどう思っていたのか? 落ち着いた顔つきで会見に登場した大谷は、「精神的にきついところはあった」と語った。
「昨年まではケガをしていたので、精神的にきついというのもあったけど、必ず投げられると思っていた。必ずよくなると思ってやってきた。不安はあったけど焦りはなかった」
「今年の最後の方なんかは、メジャーにいって一番精神的にきつかった。なかなかチームの勝ちもついてこないですし、ポストシーズンというその先も見えてこないなかでの戦いが多かったので。そういう意味では、精神的にきつい場面は後半戦のほうが多かった」
さらに「毎日今日は良かったな、ここが悪かったなというのが出てくるのは幸せなこと。落ち込むことも含めていい1年だった」と振り返った大谷は、ライバルからのいわゆる「四球攻め」に対しては「主軸のバッターが怪我で離脱しているのが一番増えている要因かな」と分析した。
「おそらく来年はそういう風にはならない。僕以上にいいバッターがラインナップに並ぶので、そういう意味では今年のような攻めにはならないと思っている。仮になったとしても、今年の経験を踏まえて冷静にバッターボックスの中で冷静に自分の仕事ができれば、必ずいい成績が残るのではと思っている」
来る11月18日(現地時間)に発表となるアメリカン・リーグMVPでは、最有力候補と見られている。獲得すれば、日本人としては2001年のイチロー以来となる快挙だが、27歳のサムライは、「待ちわびるという感覚ではないので、(来季に向けて)切り替えてやっていきたい」とあくまで冷静だ。
「もちろん今年やってきた数字をそういうふうに評価してくれるのはすごくうれしいことだと思う」
来シーズンに向けては、「今年の経験をふまえて、来年は自分の仕事ができればと思う」と意気込んだ大谷。球史に残る飛躍を遂げた男の2022年に、いまから目が離せない。
構成●THE DIGEST編集部
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投打で「史上最高」の冠を欲しいままにした。打っては打率こそ.257ながら、MLB3位の46本塁打に加え、自身初の100打点もマーク。さらにMLBトップの三塁打(8本)、OPS.965(リーグ2位)、26盗塁と軒並みハイアベレージを叩き出す。9勝(2敗)を挙げたピッチングでは、防御率3.18、156奪三振とおよそ打者兼任とは思えない数字を残した。
あの"野球の神様"ベーブ・ルースですら成しえなかった「クインタプル」(投打5部門での100超え)も達成。「この地球上で最高の選手だ」(元ニューヨーク・ヤンキース投手、C.C.サバシア)というような称賛の声も絶えなかった。そんな異次元の快進撃を本人はどう思っていたのか? 落ち着いた顔つきで会見に登場した大谷は、「精神的にきついところはあった」と語った。
「昨年まではケガをしていたので、精神的にきついというのもあったけど、必ず投げられると思っていた。必ずよくなると思ってやってきた。不安はあったけど焦りはなかった」
「今年の最後の方なんかは、メジャーにいって一番精神的にきつかった。なかなかチームの勝ちもついてこないですし、ポストシーズンというその先も見えてこないなかでの戦いが多かったので。そういう意味では、精神的にきつい場面は後半戦のほうが多かった」
さらに「毎日今日は良かったな、ここが悪かったなというのが出てくるのは幸せなこと。落ち込むことも含めていい1年だった」と振り返った大谷は、ライバルからのいわゆる「四球攻め」に対しては「主軸のバッターが怪我で離脱しているのが一番増えている要因かな」と分析した。
「おそらく来年はそういう風にはならない。僕以上にいいバッターがラインナップに並ぶので、そういう意味では今年のような攻めにはならないと思っている。仮になったとしても、今年の経験を踏まえて冷静にバッターボックスの中で冷静に自分の仕事ができれば、必ずいい成績が残るのではと思っている」
来る11月18日(現地時間)に発表となるアメリカン・リーグMVPでは、最有力候補と見られている。獲得すれば、日本人としては2001年のイチロー以来となる快挙だが、27歳のサムライは、「待ちわびるという感覚ではないので、(来季に向けて)切り替えてやっていきたい」とあくまで冷静だ。
「もちろん今年やってきた数字をそういうふうに評価してくれるのはすごくうれしいことだと思う」
来シーズンに向けては、「今年の経験をふまえて、来年は自分の仕事ができればと思う」と意気込んだ大谷。球史に残る飛躍を遂げた男の2022年に、いまから目が離せない。
構成●THE DIGEST編集部
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