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MLB

メジャー3年目に挑む大谷翔平、失意の2019年シーズンに突きつけられた2つの課題とは?

出野哲也

2020.02.08

打者に専念した2019年の前半戦は「相当な数字」を残した。(C)Getty Images

打者に専念した2019年の前半戦は「相当な数字」を残した。(C)Getty Images

 大谷翔平のメジャー2年目は唐突に幕を閉じた。2019年9月11日のインディアンス戦で右中間へライナーで飛び込む18号本塁打を放ち、久々の大谷らしい当たりでファンを喜ばせたが、13日に行われた次の試合ではエンジェル・スタジアムに姿を見せなかった。この日、ロサンゼルス市内の病院で「左ヒザ二分膝蓋」の手術を受けていたからである。

 無事に手術は成功したが全治には8~12週間かかることとなり、一足先に閉幕した。手術に踏み切った理由は、「(来季に)万全な状態でいくという判断も含めて早めに」したと説明。エンジェルスがプレーオフ争いから遠く離されていたことも、決断の理由になった。

 極めて稀な事例ではあるが、大谷の左ヒザ蓋骨は先天的に分裂していたのだという。昨年2月にも痛みを訴えていたものの、プレーする上で支障はないとの診断を下され、実際に野手としては何の問題もなく動けていたように傍からは見えた。だが投手としてのリハビリを進めていく過程で、球速が上がるにつれて痛みも増してきたため、球団の医療スタッフに手術を勧められた。大谷自身は、ヒザを痛めたまま投球練習を続けることで、別の故障が発生するのを危惧していたという。
 
 手術によってシーズンを終えてしまったのは残念だが、このような不具合を抱えていながら素晴らしいパフォーマンスができていたと分かって、改めて大谷の底知れなさを感じさせられもした。

 2018年9月のトミー・ジョン手術により、最低1年間は実戦での投球ができなくなったことで、昨季の大谷は打者オンリーの〝一刀流〞で臨んでいた。2013年に日本ハムへ入団して以来、打者のみで出場するシーズンは初めて。18年に残した打撃成績を考えれば、バッティングに専念すると相当な数字を叩き出すのではないかと期待されていた。そして実際、前半戦の成績は「相当な数字」だった。

 5月7日のタイガース戦で実戦復帰し、6試合目の13日ツインズ戦で1号本塁打。6月に入ると本格的に調子は上向きになり、8日のマリナーズ戦で花巻東の先輩・菊池雄星から左中間スタンドへ豪快な一発を叩き込んだ。13日のレイズ戦では第1打席で3ランを放つと、続く2打席は二塁打と三塁打。第4打席では「ホームランを狙っていた」が打球はセンター前に飛ぶシングルヒットで、結果的に日本人初のサイクルヒットを達成。この試合は間違いなく今季のハイライトだった。
 

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