偉才の動向が、野球ファンの心情を揺さぶっている。ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平の契約問題だ。
4年前にエンジェルスとの契約を締結した大谷の現年俸は、2年総額850万ドル(約9億7400万円)と見られている。その内訳は、2021年は年俸300万ドル(約3億4400万円)、2022年は年俸550万ドル(約6億3040万円)となっており、MLB全体では64位タイとなる金額だ。
昨シーズンに"リアル二刀流"で一大フィーバーを巻き起こした活躍ぶりを考えれば、チーム内でも8番目の値は安価。エンジェルスにとっては、"お買い得"と言えるだろう。
実際、大谷に同情する声は小さくない。米メディア『Fan Nation』は、昨季のNBAでプレーオフにすら進出していないインディアナ・ペイサーズを引き合いに出し、「スーパースターのショウヘイ・オオタニの給料は、インディアナ・ペイサーズの11人よりも少ない」と皮肉を列挙。さらに米放送局『CBS Sports』は「彼がアメリカン・リーグのMVPだということを考えれば、2年850万ドルの契約は、エンジェルスにとっておいしい」と記した。
では、実際のところの"真価"はどれほどなのか。北米のあらゆるプロスポーツの年俸情報をまとめているデータサイト『Spotrac』が紹介した「年俸に対する生産性」とまとめた記事によれば、数値化した大谷の価値は100点満点中99.74点のハイアベレージをマーク。エンジェルスでは、大黒柱のマイク・トラウトをも凌駕する最高の結果となった。
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その真価を考えれば、高額年俸を手にしてもおかしくはない。無論、23年のオフに契約満了を迎える大谷に対しては、エンジェルスも準備はしている。地元紙『Orange County』のジェフ・フレッチャー記者は、「史上最高額を得ることはない」と予想しつつも、現状よりも高い年俸を手にできると予想。そのうえで、契約時期については、こう論じている。
「投手陣の補強や他の優先事項があったため、ここまで球団とオオタニの本格的な交渉は無かったはずだ。しかし、ここからじっくりと進められるだろう。現時点で一般的に考えられているのは、FAまで2年というのが、新たな契約を締結するには良いタイミング。つまり彼にとっては、2022年シーズンの開幕までがベストな時期だと言える」
一方で大谷との新契約には障壁もある。というのも、エンジェルスはすでに、マイク・トラウト(12年総額4億2650万ドル=約484億円)とアンソニー・レンドン(7年総額2億4500万ドル=約278億円)の超大型契約を締結し、総年俸(2022年)の45.67%が埋まっている。これに大谷との新たな大型契約が加われば、ぜいたく税の支払い問題も膨らむため、ロースターの見直しを図らざるを得なくなるのだ。
しかし、だ。長期的に勝ち続けられるチーム作りを図っているエンジェルスにとって、投打で唯一無二の存在となった大谷が必要不可欠なのは言うまでもない。「大型契約を結ぶまで、ずっと金銭的な綱渡りをするだろう」(米野球専門メディア『Call To The Pen』)という余裕はないように思えるが……。
構成●THE DIGEST編集部
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4年前にエンジェルスとの契約を締結した大谷の現年俸は、2年総額850万ドル(約9億7400万円)と見られている。その内訳は、2021年は年俸300万ドル(約3億4400万円)、2022年は年俸550万ドル(約6億3040万円)となっており、MLB全体では64位タイとなる金額だ。
昨シーズンに"リアル二刀流"で一大フィーバーを巻き起こした活躍ぶりを考えれば、チーム内でも8番目の値は安価。エンジェルスにとっては、"お買い得"と言えるだろう。
実際、大谷に同情する声は小さくない。米メディア『Fan Nation』は、昨季のNBAでプレーオフにすら進出していないインディアナ・ペイサーズを引き合いに出し、「スーパースターのショウヘイ・オオタニの給料は、インディアナ・ペイサーズの11人よりも少ない」と皮肉を列挙。さらに米放送局『CBS Sports』は「彼がアメリカン・リーグのMVPだということを考えれば、2年850万ドルの契約は、エンジェルスにとっておいしい」と記した。
では、実際のところの"真価"はどれほどなのか。北米のあらゆるプロスポーツの年俸情報をまとめているデータサイト『Spotrac』が紹介した「年俸に対する生産性」とまとめた記事によれば、数値化した大谷の価値は100点満点中99.74点のハイアベレージをマーク。エンジェルスでは、大黒柱のマイク・トラウトをも凌駕する最高の結果となった。
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その真価を考えれば、高額年俸を手にしてもおかしくはない。無論、23年のオフに契約満了を迎える大谷に対しては、エンジェルスも準備はしている。地元紙『Orange County』のジェフ・フレッチャー記者は、「史上最高額を得ることはない」と予想しつつも、現状よりも高い年俸を手にできると予想。そのうえで、契約時期については、こう論じている。
「投手陣の補強や他の優先事項があったため、ここまで球団とオオタニの本格的な交渉は無かったはずだ。しかし、ここからじっくりと進められるだろう。現時点で一般的に考えられているのは、FAまで2年というのが、新たな契約を締結するには良いタイミング。つまり彼にとっては、2022年シーズンの開幕までがベストな時期だと言える」
一方で大谷との新契約には障壁もある。というのも、エンジェルスはすでに、マイク・トラウト(12年総額4億2650万ドル=約484億円)とアンソニー・レンドン(7年総額2億4500万ドル=約278億円)の超大型契約を締結し、総年俸(2022年)の45.67%が埋まっている。これに大谷との新たな大型契約が加われば、ぜいたく税の支払い問題も膨らむため、ロースターの見直しを図らざるを得なくなるのだ。
しかし、だ。長期的に勝ち続けられるチーム作りを図っているエンジェルスにとって、投打で唯一無二の存在となった大谷が必要不可欠なのは言うまでもない。「大型契約を結ぶまで、ずっと金銭的な綱渡りをするだろう」(米野球専門メディア『Call To The Pen』)という余裕はないように思えるが……。
構成●THE DIGEST編集部
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