昨年、惜しくもリーグ2位に終わったロッテが2月15日、楽天と練習試合に4-3で勝利。対外試合初戦で幸先良いスタートを切った。
楽天4番・和田恋の2試合連続本塁打などで、序盤に3点を失ったロッテ。反撃の糸口を掴みたい4回、1死二塁の場面で、打席に立った4番・山口航輝は、長打狙いの引っ張る打撃ではなく、逆方向へ意識を向けていた。
「1打席目は、追い込まれて低めの変化球を振ってしまった。(この打席も)追い込まれて、ランナー二塁だったので、ちょっと右方向を意識しながら、いい感じで入っていけた。1打席目の反省から、意識がしっかりできて、ああいう形になったと思います」
楽天2人目・高田萌生が投じた真ん中やや外寄りのスライダー。それをうまくバットの軌道に乗せると、打球は左中間スタンドへ一直線。逆方向への意識が生んだ山口の今季初本塁打で、ロッテが2点を返した。
すると、この男も黙ってはいなかった。この日は山口につづく5番起用となっていた安田尚憲。初球のストレートを思いっきり振り抜くと、高く舞い上がった打球が、そのまま右中間スタンドに突き刺さった。
「インコース寄りの甘めでした。前の打席で山口が変化球を打っていたので真っ直ぐで。自分の第1打席で、(カウント)2ボールからの真っ直ぐを打ちに行けなかった。(この打席は)タイミングが取れて打てたので良かったと思います」
狙いすました一発。ロッテの未来を背負う左右の和製大砲が、今季初の対外試合でアーチの競演。一気に流れがロッテへ傾いた。続く5回には2死三塁から、外野のレギュラーを狙う昨年の盗塁王・和田康士朗が、追い込まれながらも右前適時打。中盤で勝ち越しに成功した。
いい流れの中、6回にはドラフト1位ルーキー・松川虎生が代打で登場。追い込まれながらも、5球目のスライダーを捉え、中前へプロ初安打を放った。
「とにかく振って行こうというのを頭に入れていました。やはり振って行かないと何も始まらない。ストライクゾーンはしっかり振って行こうと思っていました。2球目の空振りで、体が開いていると感じたので、とにかく引きつけて、右方向に打とうと考えていました。(ヒットは)すごくうれしい気持ちがあります」
その裏からマスクをかぶった松川。6回、7回は左腕の土肥星也と組んで、打者6人をパーフェクト。8回、9回は土居豪人とのバッテリーで、楽天打線をヒット1本に抑えるなど、捕手としてもしっかり2投手をリードし、1点差ゲームを勝利で締めくくった。
「しっかりと対応してくれた。非常にテンポの良いリードをしてくれましたし、ああいうリードをすると投手もあまり崩れることはない。打つ方もしっかり対応してくれていましたし、守備にしてもいい声の出し方、(ミットの)構え方をしている。投手のいいところを引き出していると思いました。この先も楽しみですね」
起用に応えた高卒ルーキー捕手に高評価を与えた井口資仁監督。次戦以降のスタメンマスクも示唆するなど、大きな期待を寄せていた。
他にも、ドラフト2位ルーキー・池田来翔も1番・二塁で実戦デビュー。ヒットこそなかったものの、初回には粘って四球を選び、得点圏まで進塁したほか、守備では併殺プレーや、牽制からの挟殺プレーなどを堅実にこなし、1軍ベンチ入りへしっかりアピールしていた。
若い力が躍動し、対外試合初戦をものにしたロッテ。その力が本物になってくれば、今季のスローガン「頂点を、つかむ。」ことも現実味を帯びてくる。キャンプからオープン戦、そしてシーズン開幕までのこの期間、彼らがその力をどこまで自分のものにすることができるか。開幕戦のオーダーが今から楽しみだ。
取材・文●岩国誠
楽天4番・和田恋の2試合連続本塁打などで、序盤に3点を失ったロッテ。反撃の糸口を掴みたい4回、1死二塁の場面で、打席に立った4番・山口航輝は、長打狙いの引っ張る打撃ではなく、逆方向へ意識を向けていた。
「1打席目は、追い込まれて低めの変化球を振ってしまった。(この打席も)追い込まれて、ランナー二塁だったので、ちょっと右方向を意識しながら、いい感じで入っていけた。1打席目の反省から、意識がしっかりできて、ああいう形になったと思います」
楽天2人目・高田萌生が投じた真ん中やや外寄りのスライダー。それをうまくバットの軌道に乗せると、打球は左中間スタンドへ一直線。逆方向への意識が生んだ山口の今季初本塁打で、ロッテが2点を返した。
すると、この男も黙ってはいなかった。この日は山口につづく5番起用となっていた安田尚憲。初球のストレートを思いっきり振り抜くと、高く舞い上がった打球が、そのまま右中間スタンドに突き刺さった。
「インコース寄りの甘めでした。前の打席で山口が変化球を打っていたので真っ直ぐで。自分の第1打席で、(カウント)2ボールからの真っ直ぐを打ちに行けなかった。(この打席は)タイミングが取れて打てたので良かったと思います」
狙いすました一発。ロッテの未来を背負う左右の和製大砲が、今季初の対外試合でアーチの競演。一気に流れがロッテへ傾いた。続く5回には2死三塁から、外野のレギュラーを狙う昨年の盗塁王・和田康士朗が、追い込まれながらも右前適時打。中盤で勝ち越しに成功した。
いい流れの中、6回にはドラフト1位ルーキー・松川虎生が代打で登場。追い込まれながらも、5球目のスライダーを捉え、中前へプロ初安打を放った。
「とにかく振って行こうというのを頭に入れていました。やはり振って行かないと何も始まらない。ストライクゾーンはしっかり振って行こうと思っていました。2球目の空振りで、体が開いていると感じたので、とにかく引きつけて、右方向に打とうと考えていました。(ヒットは)すごくうれしい気持ちがあります」
その裏からマスクをかぶった松川。6回、7回は左腕の土肥星也と組んで、打者6人をパーフェクト。8回、9回は土居豪人とのバッテリーで、楽天打線をヒット1本に抑えるなど、捕手としてもしっかり2投手をリードし、1点差ゲームを勝利で締めくくった。
「しっかりと対応してくれた。非常にテンポの良いリードをしてくれましたし、ああいうリードをすると投手もあまり崩れることはない。打つ方もしっかり対応してくれていましたし、守備にしてもいい声の出し方、(ミットの)構え方をしている。投手のいいところを引き出していると思いました。この先も楽しみですね」
起用に応えた高卒ルーキー捕手に高評価を与えた井口資仁監督。次戦以降のスタメンマスクも示唆するなど、大きな期待を寄せていた。
他にも、ドラフト2位ルーキー・池田来翔も1番・二塁で実戦デビュー。ヒットこそなかったものの、初回には粘って四球を選び、得点圏まで進塁したほか、守備では併殺プレーや、牽制からの挟殺プレーなどを堅実にこなし、1軍ベンチ入りへしっかりアピールしていた。
若い力が躍動し、対外試合初戦をものにしたロッテ。その力が本物になってくれば、今季のスローガン「頂点を、つかむ。」ことも現実味を帯びてくる。キャンプからオープン戦、そしてシーズン開幕までのこの期間、彼らがその力をどこまで自分のものにすることができるか。開幕戦のオーダーが今から楽しみだ。
取材・文●岩国誠