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プロ野球

広島・野村の制球力は大学時代からピカイチ! 大久保ら現役社会人からも厳選【西尾典文が選ぶ『最もコントロールが良かった大学・社会人投手5人』】<SLUGGER>

西尾典文

2022.02.24

明治大から出色の制球力を誇った野村は、そのままカープのエースとしても活躍した。写真:SLUGGER

明治大から出色の制球力を誇った野村は、そのままカープのエースとしても活躍した。写真:SLUGGER

 長年アマチュア野球を見ていると、「これまで見た選手のなかで誰が一番凄かったですか?」という質問をよく聞かれる。投手や野手、カテゴリーによっても異なるため絞るのはなかなか困難だ。

 しかし、ここではテーマとカテゴリーに分けてランキング形式で5人ずつ紹介していきたいと思う。対象は現在の記録をとるスタイルでアマチュア野球を見始めた2001年秋以降の選手とした。今回は「本当にコントロールが良かった投手」の大学生・社会人編だ。 

5位:攝津正(JR東日本東北→08年ドラフト5位ソフトバンク) 

 秋田敬法大付(現ノースアジア大明桜)時代から好投手として評判で、3年春にはエースとしてセンバツに出場。社会人で8年間プレーし、26歳の年齢でプロ入りしたが、その期間に制球力は年々向上していた印象だ。高校時代はオーソドックスだったテイクバックをコンパクトすると左右のぶれがなくなり、さらにボールの出所も見づらくなった。 

 社会人ではフル回転していたためにスピードは140キロ程度だったが、プロ入り後に中継ぎを任せられてスピードアップ。その後、先発としても5年連続2ケタ勝利、沢村賞を獲得するなど常勝ホークスのエースに台頭したが、社会人で磨いた制球力が土台になったのは間違いない。 
 
4位:須田幸太(JFE東日本) 

 プロ入り前ではなく、DeNAを戦力外となってJFE東日本に復帰してからの投球を評価した。とくに見事だったのがアウトローへのコントロールだ。スピードガンの数字は140キロ台前半でも指のかかりが素晴らしく、“糸を引くような”という表現がピッタリ当てはまるボールで、打者がなすすべなく見送り三振に倒れるケースも多かった。 

 社会人復帰1年目の19年にはリリーフとしてフル回転し、チームの都市対抗初優勝に大きく貢献。その後、コーチ兼任となった2年間もジョーカー的な役割を担い続けた。惜しまれながらも昨年限りでの現役引退を表明したが、そのピッチングをもう見られないことを残念に思っているファンは多いはずだ。 

3位:野村祐輔(明治大→11年ドラフト1位広島) 

 大学生で唯一の選出となったのが野村だ。層の厚い明治大投手陣のなかで、1年春から先発の一角に定着すると、秋にはリーグ史上5人目のシーズン防御率0.00を記録。その後も順調に勝ち星を重ね、リーグ通算30勝、358奪三振をマークした。365.0イニングを投げて与えた四死球はわずかに68、1試合平均1.68という数字は見事という他ない。 

 高校時代はスライダーの印象が強かったが、大学ではカットボール、チェンジアップなど他の変化球も大きくレベルアップ。4年秋の明治神宮大会では決勝で無四球完封勝利をマークし、チームを日本一に導いた。プロでも1年目から活躍を続けたが、ここ数年は苦しい投球が続く。大学で発揮したあの制球力がもう一度輝くことを期待している。 
 
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