侍ジャパン

スーパーラウンドで侍ジャパンが対戦する4か国の注目選手は?アメリカのホープや韓国の”ジャパンキラー”も

藤原彬

2019.11.10

アメリカのジョー・アデル(左から二番目)は、今大会の最注目選手だ。(C)Getty Images

 プレミア12のオープニングラウンド・グループBを3戦全勝で勝ち抜いた日本は、11日からスーパーラウンドを戦う。グループAとCを勝ち抜いた4チームと総当たりで対戦し、1位か2位の成績を収めれば、大会優勝を懸けたチャンピオンシップファイナルへと進む(3位と4位のチームはブロンズメダルゲームで3位を争う)。スーパーラウンドで日本と対戦する4ヵ国の注目選手をピックアップしよう。
オーストラリア(WBSCランキング7位/11日対戦)

 決して野球強豪国ではないものの、2人の元メジャーリーガーを擁する。

 40歳のピーター・モイランはサイドハンドからスライダーとシンカーを繰り出し、三塁側へ大きく踏み出す投球フォームが特徴。メジャー通算499登板はすべてリリーフで、2017年にはリーグ最多の79試合に登板した。今季開幕前に引退を表明するまで、対打者の右左で被OPS.590/.843と極端な結果。

 ルーク・ヒューズはオーストラリアの高校を経てツインズと契約し、10年に25歳でメジャーデビュー。翌11年にはショート以外の内野全ポジションを守るユーティリティとして96試合の出場機会を得た。近年はオーストラリアのチームに所属し、昨年は侍ジャパンシリーズに出場する代表の一員として来日したが、今季はプレーしていない。

アメリカ(WBSCランキング2位/12日対戦)

 注目すべき選手は、間違いなくジョー・アデルだろう。5ツールを備えたセンターで、MLB.comの有望株ランキング全体5位にランクされている球界屈指のトップ・プロスペクトだ。 すでに3Aまで昇格していて、来季は大谷翔平と同じフィールドでプレーしている可能性が高い。パンチのある打撃以上に、スピードとその俊足を生かした守備に注目。もしかしたら、今回のプレミア12は将来、「スーパースターになる前のアデルが出た大会」として記憶されるかもしれない。

 2018年にフィリーズから全体3位指名を受けたアレック・ボーム(23歳)は196cm、102kgと堂々の体躯を誇り、今季は1A・1A+・2Aの125試合で打率.305、21本塁打と才能を発揮。1970年代にヤクルトと近鉄で活躍し、フィリーズの監督として世界一にも輝いたチャーリー・マニエルも、「将来は40本塁打も打てる」と評価するパワーヒッターだ。

 また、脇を固めるベテラン勢も面白い選手が揃っている。来季、オリックスの外国人で最長8年目のシーズンを迎えるブランドン・ディクソンはナックルカーブを武器にゴロの山を築く。来日以降は主に先発で通算防御率3.32の安定感。今季はチーム事情でクローザーを務め、今大会もオープニングラウンドのドミニカ共和国戦で試合を締めくくった。

 クレイトン・リチャードもシンカー主体の投球でゴロを誘発する軟投派のベテランサウスポー。200投球回超えを2度クリアし、2017年は197.1回を投げたがリーグワーストの15敗。直近2年はいずれも防御率5点台と苦しんでいる。

 ジョー・ジラルディのフィリーズ監督就任で、急きょチームを率いることになったスコット・ブロシアスは1998年のワールドシリーズMVP。翌99年にはサードでゴールドグラブを受賞し、ヤンキースの世界一3連覇に貢献した。投手コーチのブライアン・プライスはレッズで監督を務めた2015年、質問に対して約5分の間にFワードを77回も使って問題に。前回大会で監督を務めたウィリー・ランドルフは、現役時代に通算2210安打を放ち、オールスターに6度出場している。
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“日本キラー”と再び相見えるか