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侍ジャパン

全勝の侍ジャパン、投手陣の好調さはスーパーラウンドで大きな強みになる【プレミア12】

氏原英明

2019.11.08

オープニングラウンドで3戦全勝と、チーム状態はどんどん上がっている。(C)Getty Images

オープニングラウンドで3戦全勝と、チーム状態はどんどん上がっている。(C)Getty Images

 余裕の3連勝とは褒めすぎか。

「世界野球プレミア12」のオープニングラウンド・グループBの全日程が終わった。侍ジャパンは第3戦の地元・台湾に8−1で勝利し、3戦全勝で11日からのスーパーラウンドに駒を進めた。

 とはいえ、この3戦は全てが順調だったわけではない。
 ほぼフルメンバーである侍ジャパンは、アジア勢とやる試合を除いては、格上の感がある。アメリカ代表はメジャーのトップ・プロスペクトを擁しているとはいえ、WBCとは異なり、やはり「勝って当たり前」の空気が少なくない。
 
 初戦のベネズエラ戦が最もいい例だった。
 5回に1点をリードしながら、すぐさま勝ち越されて苦しい展開に。8回に2点ビハインドをひっくり返して辛くも逃げ切ったものの、薄氷の勝利と言えた。国際大会で時折見られる、相手チームの先発投手が降板した後の、力の落ちる投手の制球難に乗じての逆転劇だった。

 2戦目のプエルトリコ戦は苦戦を想定したかのように、しっかりと相手と組み合った。先発した高橋礼(ソフトバンク)が抜群の立ち上がりを見せると、3回裏、1番の山田哲人(ヤクルト)の四球を足がかりにして、4番・鈴木誠也(広島)の3点本塁打などで4得点。投手陣も完璧なリレーで4−0の理想的な勝利だった。

 この日の台湾戦もそうだったが、今の日本の強みは投手陣だ。
 コンディション不良の投手が軒並み代表を辞退したため、今いる選手は、高いパフォーマンスを維持できている。これは代表チームの活動が定着してきて、今大会を意識させてきたことの成果とも言えるだろう。投手に関しては次の候補者がたくさんいるのだ。

 初戦の先発・山口俊(巨人)は4回を1失点にまとめ、2戦目の高橋礼、3戦目の今永昇太(DeNA)らが先発の役割を果たした。リリーフ陣も好調をキープ。山﨑康晃(DeNA)、山本由伸(オリックス)ら試合を締める役割の2人に計算が立っているから、継投のやりくりも計算が立ちやすい。甲斐野央(ソフトバンク)、中川皓太(巨人)など代表経験が少ない投手たちも、うまく波に乗れている。

 さらに、今大会は球数制限のルールがないから連投も可能なので、どんどん投手を注ぎ込める。もちろん、シーズン後であるため、選手への配慮は必要だが、余分な計算をしなくていいやりやすさはあるだろう。

 1、2戦は打線が波に乗れていなかったところはあるが、投手陣が好調なぶん、チームにもたらしている影響は大きい。序盤は競った展開でも、投手陣が点を失わないから、しっかりと組み合うことができるのだ。選球眼の優れた選手たちがシーズン中と同じくボールを見極められているのは、投手陣によるところがある。
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