高校野球

センバツ注目カード5選!クラーク国際と九州国際の“再戦”、神宮王者・大阪桐蔭も難敵を迎え撃つ

西尾典文

2022.03.05

センバツの1回戦カードが決定!神宮王者の大阪桐蔭(右)は難敵・鳴門と対戦。花巻東の怪物・佐々木(左)は市和歌山のエースを打ち崩せるか。写真:滝川敏之

 3月18日に開幕する第94回選抜高校野球大会。4日に組合せ抽選会が行なわれ、初戦のカードが決定したが、その中から特に激戦が予想される注目の5試合をピックアップし、見どころを紹介したいと思う。

●第1日第3試合:クラーク国際(北海道)vs九州国際大付(福岡)

 神宮大会に続いて、北海道王者のクラーク国際と九州王者の九州国際大付が相まみえる。神宮大会では九州国際大付が序盤にリードを奪って快勝したが、センバツでも同様の展開になるとは限らないだろう。キーマンとなるのがクラーク国際の右腕・辻田旭輝だ。

 秋は右手中指の怪我からの回復途上でありながら140キロ以上を計測していたことを考えると、この春はさらに球威が増している可能性が高い。九州国際大付の黒田義信、野田海人、佐倉侠史朗などプロ注目の強打者が揃うが、春は投手が有利と言われるだけに、力で抑え込むことも十分に考えられる。地力は九州国際大付が上回ると見られるが、ロースコアの接戦となればクラーク国際にも十分勝機はあるだろう。
 
●第2日第1試合:広陵(広島)vs敦賀気比(福井)

 こちらも秋の地区大会優勝校同士の対戦となった。神宮大会準優勝の広陵はエースの森山陽一郎以外にも力のある投手が揃い、打線も内海優太、真鍋慧の3番、4番を中心に強力で優勝候補の一角にも挙がっている。過去にも優勝3回、準優勝3回と選抜には滅法強いというのもプラス材料だ。一方の敦賀気比も昨年春、夏の甲子園を経験したメンバーが残り、秋の北信越大会でも4試合で34得点を誇った打線は出場校の中でも間違いなく上位である。

 カギを握るのが敦賀気比のエース・上加世田頼希のピッチングだ。秋は明らかにストレートが走っておらず、神宮大会でも苦しい投球となったが、制球力は高いだけに本来の球威が戻れば広陵打線も打ち崩すのは簡単ではない。どちらが勝つにせよ、一方的な展開となることは考えづらい。

●第3日第1試合:山梨学院(山梨)vs木更津総合(千葉)

 春は投手力と昔から言われているが、好投手同士の投げ合いという意味では、このカードがナンバーワンと言えるだろう。山梨学院の榎谷礼央は140キロ台のストレートをコーナーに集め、テンポ良く打たせてとるピッチングが持ち味。木更津総合の越井颯一郎も躍動感あふれるフォームでストレートはコンスタントに140キロを超え、秋の関東大会3試合で与四球0(与死球は2)と高い制球力も備えている。

 両チームとも打線も決して弱くはないが、初戦の疲れのない状態でこの2人の投げ合いとなれば、簡単に失点することは考えづらく、ハイレベルな投手戦が予想される。それだけに一本の長打、または一つのミスが試合を左右することになりそうだ。
 
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大阪桐蔭は鳴門のエースを打ち崩せるか