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高校野球

【センバツで評価を上げた投手5人】“大会の顔”となった近江・山田や浦和学院・宮城、市和歌山・米田の評価が急上昇!<SLUGGER>

西尾典文

2022.04.02

熱投を繰り広げた近江・山田(左)はもちろん、宮城(右上)や米田(右下)なども評価を上げた。写真;塚本凛平/THE DIGEST編集部

熱投を繰り広げた近江・山田(左)はもちろん、宮城(右上)や米田(右下)なども評価を上げた。写真;塚本凛平/THE DIGEST編集部

 大阪桐蔭の4年ぶり4度目の優勝で幕を閉じた今年のセンバツ高校野球。ドラフト候補という意味では目玉と言われるような逸材は不在だったが、それでもプロのスカウトを唸らせた選手は確かに存在していた。

 ここでは、センバツで評価を上げたドラフト候補について、投手、野手それぞれ5人ずつピックアップして紹介したいと思う。今回は投手編だ。 

●山田陽翔(近江) 
 あらゆる意味で今大会の“顔”と言える活躍で、チームの滋賀県勢初となる準優勝に導いた。昨秋はヒジの故障で登板を回避し、今大会も補欠校から急遽の参加だったが、それを感じさせない見事な投球だった。大会でもナンバーワンとなる最速146キロをマークしたストレートはもちろんだが、それ以上に素晴らしかったのが変化球だ。 

 カットボール、ツーシームはいずれも縦に鋭く変化するボールで、真上から腕が振れるため落差も申し分ない。走者を背負ってからの粘り強さも見事で、2度の延長戦を投げ切るなどスタミナ面の充実ぶりも光った。昨年までは野手として評価する声も多かったが、今大会の好投で評価を上げたのは間違いないだろう。 
 
●宮城誇南(浦和学院) 
 大会前はそれほど注目される存在ではなかったが、1回戦では13奪三振2安打完封、その後も快投を続けて19イニング連続無失点と見事な成績で評価を上げた。173センチと、投手としては小柄な部類に入り、ストレートも130キロ台前半から中盤程度が多いものの、ゆったりとしたモーションで楽に腕を振れ、そのフォームとのギャップで打者は差し込まれるシーンが散見した。 

 緩急の使い方も上手く、投球術は高校生ではトップレベルと言えるだろう。体格とスピードの無さもあって高校から直接プロ入りするようなタイプには見えないが、大学を経由してスケールアップすれば、高校の先輩でもある小島和哉(ロッテ)のような投手になれる可能性は十分にあるだろう。 

●米田天翼(市和歌山) 
 1回戦では花巻東、2回戦では明秀日立と強力打線を誇るチームを見事に抑え込み、昨年を超える準々決勝進出を果たした。特に見事だったのが花巻東の佐々木麟太郎&田代旭との対決だ。140キロを超えるストレートを内角と高めに投げ込み、力で今大会注目の強打者を封じ込めてみせた。 
 
 下半身の強さと粘りがあるフォームで躍動感も申し分なく、ホップするような軌道のストレートは勢い十分。カットボール、ツーシームと対になる変化球の使い方も上手く、ここ一番でギアを上げられるのも大きな持ち味だ。先輩の小園健太(DeNA)と比べるとスケール感では劣るものの、今年の高校生投手の中では上位の実力があると十分に示した。 

【動画】死球にも動じず気迫の投球! 近江・山田の圧巻ピッチがこれだ!

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