『NPB12球団合同トライアウト』が12日、大阪シティ信用金庫スタジアムで開催された。43名の選手が参加。プロ野球12球団はもちろん、独立リーグや、社会人野球の編成関係者が熱視線を送った。
今年のNPB所属の"大物"に一人は、元巨人の左腕、森福允彦だ。
2016年オフにソフトバンクから巨人にFAで移籍した森福だが、1年目(2017年)は30試合に登板したが、昨年は2試合、今年は7試合の登板に留まり、左のセットアッパーとして期待に応えられず来季の構想から外れた。
「自分の区切りとして、このまま終わったら、ユニフォーム姿を見せずに終わってしまう」
森福はそんな思いから、トライアウトの受験を決めたという。
バッターの1人目はDeNAの大河。必死に喰らいついていった大河に対して緩急を使って翻弄。最後は低めのスライダーで空振り三振に。「いつもの森福さんの球速じゃなかった」と大河は振り返っている。続く元同僚である楽天の橋本到は、真っ直ぐで勝負にいったが、カウントを悪くしてしまい四球を許してしまう。しかし、最後のバッター、日本ハムの岸里亮佑は高めの真っ直ぐで空振り三振に仕留め、スタンドからは大きな拍手と歓声が上がった。
森福は初めてのトライアウトを「お客さんの緊張感が伝わって独特な雰囲気だった」と振り返り、こう続けた。
「ホッとしている気持ちと全て出し切った気持ちでいっぱい。結果は満足ですが、内容は満足にいかなかった。(橋本は)一緒にやってたので、真っ直ぐで決めたかったんですけどね。決め球がバラついてしまって申し訳ない。でも清々しい気持ち。後悔はしていない。状態としてはしっかり準備してきた。気負いや力みはいつも以上に出てしまったと思う」
今後に関しては「まだ体は動くと思っているし、野球が大好きなので、投げたい」と語ったが、NPB以外のオファーに関しては「迷ってます」と慎重に考える方針だ。プロ通算134ホールドの左のセットアッパーが再び、NPBの舞台に上がることはあるのか。
引退するにはまだ早い。そういえる快投劇だった。
文●どら増田(スポーツライター)
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、昨年は山本由伸と那須川天心の"神童"対談を実現させた。
今年のNPB所属の"大物"に一人は、元巨人の左腕、森福允彦だ。
2016年オフにソフトバンクから巨人にFAで移籍した森福だが、1年目(2017年)は30試合に登板したが、昨年は2試合、今年は7試合の登板に留まり、左のセットアッパーとして期待に応えられず来季の構想から外れた。
「自分の区切りとして、このまま終わったら、ユニフォーム姿を見せずに終わってしまう」
森福はそんな思いから、トライアウトの受験を決めたという。
バッターの1人目はDeNAの大河。必死に喰らいついていった大河に対して緩急を使って翻弄。最後は低めのスライダーで空振り三振に。「いつもの森福さんの球速じゃなかった」と大河は振り返っている。続く元同僚である楽天の橋本到は、真っ直ぐで勝負にいったが、カウントを悪くしてしまい四球を許してしまう。しかし、最後のバッター、日本ハムの岸里亮佑は高めの真っ直ぐで空振り三振に仕留め、スタンドからは大きな拍手と歓声が上がった。
森福は初めてのトライアウトを「お客さんの緊張感が伝わって独特な雰囲気だった」と振り返り、こう続けた。
「ホッとしている気持ちと全て出し切った気持ちでいっぱい。結果は満足ですが、内容は満足にいかなかった。(橋本は)一緒にやってたので、真っ直ぐで決めたかったんですけどね。決め球がバラついてしまって申し訳ない。でも清々しい気持ち。後悔はしていない。状態としてはしっかり準備してきた。気負いや力みはいつも以上に出てしまったと思う」
今後に関しては「まだ体は動くと思っているし、野球が大好きなので、投げたい」と語ったが、NPB以外のオファーに関しては「迷ってます」と慎重に考える方針だ。プロ通算134ホールドの左のセットアッパーが再び、NPBの舞台に上がることはあるのか。
引退するにはまだ早い。そういえる快投劇だった。
文●どら増田(スポーツライター)
【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、昨年は山本由伸と那須川天心の"神童"対談を実現させた。