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ノーヒッターで降板、かたやデビュー戦大炎上。ダルビッシュとスアレスがそれぞれ打ち立てた“歴史的大記録”とは

THE DIGEST編集部

2022.04.08

開幕戦でノーヒットピッチングを見せたダルビッシュ(右)だったが、元阪神助っ人のスアレス(左)が球史に残る炎上劇で白星を失った。(C)Getty Images

 現地時間4月7日、ついに開幕を迎えたメジャーリーグ。日本人選手では、鈴木誠也(シカゴ・カブス)と筒香嘉智(ピッツバーグ・パイレーツ)がデーゲームから登場してともにヒットを放つ上々のスタートを切り、ナイターでは開幕投手に選ばれたダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が姿を見せた。

 日米問わず、とりわけ注目を集めたのは、史上初となる「1番・投手&DH」で出場した大谷だ。日本の地上波でも中継された一戦は、その一挙手一投足が報じられるほどの過熱ぶり。もっとも、この日"最も輝く"活躍だったのは、ダルビッシュだろう。

 2年連続での大役を任された右腕は、敵地でのアリゾナ・ダイヤモンドバックス戦に先発。相手は昨季110敗を喫した弱小チームなのだが、なぜかダルビッシュは非常に相性が悪く、昨季5登板で0勝2敗、防御率6.65、被打率.317と滅多打ちにあっていた。そのため、緊張感をもって見ていたファンも少なくなかったと思われるが、完全に杞憂に終わった。

 最速97.4マイル(156.7キロ)の4シームには力があり、カッター・スライダー・スプリッター・カーブの威力も十分。Dバックス打線を完全に手玉に取り、気づけば6回を終えて無安打無得点に抑える衝撃的なパフォーマンスだった。

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 4四球とあって球数が92球に達したため、ここで降板となった。だが、開幕戦で6回以上を投げて1安打も許さなかった投手はこの日のダルビッシュがナ・リーグ初。文字通り球史に残る快投だったのだ。

 しかし、そんなダルビッシュに白星がつくことはなかった。9回、パドレスの救援陣が大炎上を喫したからだ。その"主役"となったのが、昨年まで阪神の守護神を務め、2年連続でセーブ王に輝いたロベルト・スアレスだった。

 31歳にして念願のメジャーデビューを果たしたスアレスは、開幕戦からクローザーに抜擢。首脳陣の期待の高さがうかがえる起用だったが、先頭打者から7球連続でボール。100マイル(約161キロ)を連発しても乱れに乱れ、3人目はフルカウントまで追い込むも死球を与えてここで交代に。後続がパスボールの直後にサヨナラ3ランを浴び、デビュー戦で黒星がつくことになった。

 名誉ある記録を樹立を打ち立てたダルビッシュに対し、スアレスはまったくの逆。デビュー戦で3人連続で安打/四死球で出塁され、そのまま負け投手になったのは、1901年のフランク・デュピー以来、実に121年ぶりのことだったという。初陣の緊張感が"虎の守護神"を狂わせたのかは分からないが、ほろ苦いデビュー戦になったのは間違いない。

 パドレスは昨年のセーブ王であるマーク・マランソンがDバックスへ移籍。手薄になったブルペンに、開幕直前になって、昨年オールスター選出を果たしたテイラー・ロジャースをミネソタ・ツインズから獲得していたが、この日投げることができなかったのが裏目になった形だ。ダルビッシュは引き続き快投を見せ、スアレスはここから立ち直れるのか。今後の投球に注目していきたい。

構成●THE DIGEST編集部

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