メジャーリーグより一足先に開幕した日本のプロ野球。球春到来に多くのファンが歓喜している一方、早くも優勝が遠のきつつあるチームがある。阪神と日本ハムだ。
新庄剛志が新たに監督就任した日本ハムは大きな注目を集めていたものの、開幕5連敗スタート。6戦目にビッグボスは初勝利を手にしたが、11試合で2勝9敗、首位から7ゲーム差をつけられてる。もっとも、昨年も5位で主力も抜けたとあって、もともとの戦力が低かった面もあり、“ダメージ”はそこまでないかもしれない。
一方の阪神を取り巻く空気はすこぶる重い。昨年はセ・リーグ2位、しかも勝ち星は日本一のヤクルトより多いとあって実力もあったはずだが、開幕戦で最大7点差をつけながら大逆転負けを喫すると、以降はまさかのセ・リーグ最長となる開幕9戦9敗。4月6日の試合では9回に追いつかれ、さらに延長12回に5点を奪われる敗戦と、とにかく嚙み合っていない。こちらも首位から8ゲーム差をつけられ、苦しすぎる出足となった。
しかし振り返ると、ある意味で嫌な“フラグ”は立っていた。
キャンプイン前日、矢野燿大監督は今シーズン限りでの退任を発表。異例の事態に賛否両論巻き起こったが、選手たちは「矢野監督を男にする!」と気合いがさらに入ったはず。ここまでは良かったかもしれない。しかし、さらに異例の出来事がもう一つあった。「予祝”胴上げ」だ。
【動画】「優勝だぁぁ!」メッツが“練習”した世界一達成の予行練習がこれだ
2月23日、練習前の円陣で矢野監督が突如、胴上げされたのだ。17年ぶりのリーグ制覇、悲願の日本一奪還を“想定”してのサプライズに、指揮官も宙に舞いながら「ありがとう!」と顔をほころばせた。だがしかし、これを裏切るような開幕超スロースタート。退任発表、予祝胴上げによって“フラグが立った”と思ったファンも少なかったはずだ。
もっとも、これは阪神に限った話ではない。ちょうど1年前、メジャーリーグでも同じようにフラグを回収したチームがいた。ニューヨーク・メッツである。
メッツは2021シーズン開幕前、大富豪スティーブ・コーエンが新たにオーナーに就任すると大補強を展開。球界最高峰の遊撃手であるフランシスコ・リンドーアをはじめ数々の大物選手も獲得し、世界一有力候補と目されていた。実際、開幕から地区首位を快走。103日間もその座をキープしていたが、8月中旬から信じられない急失速を喫し、地区優勝どころかまさかの負け越しに終わった。
実はこのメッツも、春季キャンプで1986年以来となるワールドシリーズ優勝に“備えた”予行練習をしていたのだ。27アウト連続で守備を成功させるという練習中、最後の27個目を見事に捕球し終えるや、選手たちはグラブを宙に放り投げて輪を作って世界一を喜び合う……というものだ。
選手によると、ポジティブな思考を得られる素晴らしい試みだったという。もっとも、メッツはシーズン中に選手同士が喧嘩したり、ファンのブーイングに腹が立って選手がサムズダウンして抗議したり、オーナーも「なんで彼らはこんなに打てないんだ」とSNSで批判したり……と、優勝練習の効果はなかったようである。
メッツは昨シーズンこそ補強が実らなかったが、このオフも引き続きマックス・シャーザーをはじめとして、さらなる大物を乱獲するなど今年も優勝候補に挙げられている。そして昨年に懲りたのかは分からないが、今年のキャンプでは“あの”練習は行わなかったようである。
果たして今年のメッツはどうなるか。明日にいよいよ開幕するメジャーリーグにてその答えは分かるはずだ。そして阪神は、ここから立て直してメッツの二の舞を回避できるのか。日米ともに注目していきたい。
構成●THE DIGEST編集部
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新庄剛志が新たに監督就任した日本ハムは大きな注目を集めていたものの、開幕5連敗スタート。6戦目にビッグボスは初勝利を手にしたが、11試合で2勝9敗、首位から7ゲーム差をつけられてる。もっとも、昨年も5位で主力も抜けたとあって、もともとの戦力が低かった面もあり、“ダメージ”はそこまでないかもしれない。
一方の阪神を取り巻く空気はすこぶる重い。昨年はセ・リーグ2位、しかも勝ち星は日本一のヤクルトより多いとあって実力もあったはずだが、開幕戦で最大7点差をつけながら大逆転負けを喫すると、以降はまさかのセ・リーグ最長となる開幕9戦9敗。4月6日の試合では9回に追いつかれ、さらに延長12回に5点を奪われる敗戦と、とにかく嚙み合っていない。こちらも首位から8ゲーム差をつけられ、苦しすぎる出足となった。
しかし振り返ると、ある意味で嫌な“フラグ”は立っていた。
キャンプイン前日、矢野燿大監督は今シーズン限りでの退任を発表。異例の事態に賛否両論巻き起こったが、選手たちは「矢野監督を男にする!」と気合いがさらに入ったはず。ここまでは良かったかもしれない。しかし、さらに異例の出来事がもう一つあった。「予祝”胴上げ」だ。
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2月23日、練習前の円陣で矢野監督が突如、胴上げされたのだ。17年ぶりのリーグ制覇、悲願の日本一奪還を“想定”してのサプライズに、指揮官も宙に舞いながら「ありがとう!」と顔をほころばせた。だがしかし、これを裏切るような開幕超スロースタート。退任発表、予祝胴上げによって“フラグが立った”と思ったファンも少なかったはずだ。
もっとも、これは阪神に限った話ではない。ちょうど1年前、メジャーリーグでも同じようにフラグを回収したチームがいた。ニューヨーク・メッツである。
メッツは2021シーズン開幕前、大富豪スティーブ・コーエンが新たにオーナーに就任すると大補強を展開。球界最高峰の遊撃手であるフランシスコ・リンドーアをはじめ数々の大物選手も獲得し、世界一有力候補と目されていた。実際、開幕から地区首位を快走。103日間もその座をキープしていたが、8月中旬から信じられない急失速を喫し、地区優勝どころかまさかの負け越しに終わった。
実はこのメッツも、春季キャンプで1986年以来となるワールドシリーズ優勝に“備えた”予行練習をしていたのだ。27アウト連続で守備を成功させるという練習中、最後の27個目を見事に捕球し終えるや、選手たちはグラブを宙に放り投げて輪を作って世界一を喜び合う……というものだ。
選手によると、ポジティブな思考を得られる素晴らしい試みだったという。もっとも、メッツはシーズン中に選手同士が喧嘩したり、ファンのブーイングに腹が立って選手がサムズダウンして抗議したり、オーナーも「なんで彼らはこんなに打てないんだ」とSNSで批判したり……と、優勝練習の効果はなかったようである。
メッツは昨シーズンこそ補強が実らなかったが、このオフも引き続きマックス・シャーザーをはじめとして、さらなる大物を乱獲するなど今年も優勝候補に挙げられている。そして昨年に懲りたのかは分からないが、今年のキャンプでは“あの”練習は行わなかったようである。
果たして今年のメッツはどうなるか。明日にいよいよ開幕するメジャーリーグにてその答えは分かるはずだ。そして阪神は、ここから立て直してメッツの二の舞を回避できるのか。日米ともに注目していきたい。
構成●THE DIGEST編集部
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